CDレビュー:特に「プリズム・ラプソディ II」の演奏は必聴!コーポロン×ノース・テキサス・ウインド・シンフォニー「コンタクト(Contact)」

GIAパブリッシング (GIA Publising)の新譜「コンタクト(Contact)」が届きましたので、簡単にレビューしてみようと思います。

コーポロン×ノース・テキサス・ウインド・シンフォニーのシリーズ、2018年版。片方の「Taylor Made」は比較的新しい作品が収録されたいつも通りの盤でしたが、こちらはノーステキサス大学の教師でもある打楽器奏者のマーク・フォード氏(Mark Ford)をフィーチャーした、珍しいアルバムになっています。

マーク・フォード自身の「ステューバーニック幻想曲(2012年)」、ジェニファー・ヒグドンの「打楽器協奏曲(2009)」という比較的新しい作品と、ダニエル・マッカーシー「マリンバのための室内交響曲(1993)」、安倍圭子「プリズム・ラプソディ II(1996)」といった22~25年前の名作を収録。録音も2001年から2016年まで別々の時期に録音されたものがまとめられています。

録音時期がバラバラなので少々音質が異なるとはいえ、いずれのトラックも、マーク・フォード氏の妙技、ノース・テキサスの見事なアンサンブル、コーポロンが描く音楽、すべてがかみ合って聴きごたえのある演奏に仕上がっており、作品のクオリティの高さを十分に伝えてくれます。

特に「プリズム・ラプソディ II」の演奏は必聴ですね。2台のマリンバのための作品で、作曲者の安倍圭子氏自身がフォード氏とともに演奏をしています。これも安倍圭子氏のファンにはたまらないポイントですね。

ジェニファー・ヒグドン氏は日本の吹奏楽での知名度は低いかもしれませんが、すでにピューリッツァー賞や2度のグラミー賞を受賞し高い評価を受けている作曲家で、アメリカの現在のクラシックの世界では欠かせない逸材。「打楽器協奏曲」は元々はオーケストラのための作品で、フィラデルフィア管弦楽団、インディアナポリス交響楽団、ダラス交響楽団によって委嘱された作品で、この作品こそがグラミー賞を受賞しています。このCDに収録されているのはその吹奏楽版。凄まじいの一言に尽きる、壮大で緻密な作品です。

どの作品も演奏も楽しめるので、打楽器ファンだけでなく広くクラシック愛好家に聴いていただきたいCDですね。

こちらのCDは「WBP Plus!」でもお取り扱いしています。


レビュー:梅本周平(Wind Band Press)


商品詳細は以下の通り。

指揮者:ユージン・コーポロン (Eugene Migliaro Corporon)

演奏団体/演奏者:ノース・テキサス・ウインド・シンフォニー (North Texas Wind Symphony)
マーク・フォード(マリンバ、打楽器)(Mark Ford:Marimba, Percussion)
ポール・レニック(マリンバ)(Paul Rennick:Marimba) 1
サンディ・レニック(マリンバ)(Sandi Rennick:Marimba) 1
安倍圭子(マリンバ)(keiko Abe:Marimba) 5

1. ステューバーニック幻想曲:マーク・フォード [13:04]
Stubernic Fantasy:Mark Ford

マリンバのための室内交響曲 第1番:ダニエル・マッカーシー
Chamber Symphony No. 1 for Marimba and Winds:Daniel McCarthy
2. ディア・ハンティング・イン・ミシガン  Deer Hunting in Michigan [4:07]
3. ハーモニック・リズム  Harmonic Rhythms [4:33]
4. ザ・スタッフ・アドヴェンチャー  The Stuff of Adventure [7:23]

5. プリズム・ラプソディ II ~2台のマリンバのための:安倍圭子 [15:54]
Prism Rhapsody II:Keiko Abe

6. 打楽器協奏曲:ジェニファー・ヒグドン [25:21]
Percussion Concerto:Jennifer Higdon

こちらのCDは「WBP Plus!」でもお取り扱いしています。

Facebook にシェア
Pocket
このエントリーを Google ブックマーク に追加
LINEで送る
LinkedIn にシェア