WBP Plus!に登録した商品でレビューを書いたもののWind Band Pressで紹介していなかった商品がたまっていたので紹介していきます。
今回のレビューはマーク・カスタム (Mark Custom)から発売された2019 WASBEのCDよりパウロ・マルティンス指揮、ブランカ音楽レクリエーション協会のCDです。
2019年にスペインで行われたWASBE(世界吹奏楽大会)の公演の中から、ブランカ音楽レクリエーション協会(Associacao Musical e Recreativa Amigos da Branca)の演奏を収録したCDです。
ブランカ音楽レクリエーション協会は、ポルトガルのアルベルガリア=ア=ヴェーリャにあるブランカ村を拠点とするバンド。1940年に設立されました。1968年の活動停止の後、1976年に活動を再開しています。この団体には音楽学校や吹奏楽団、室内楽などのグループが含まれているそうです。
演奏は全体的に非常に丁寧ながら情熱的で、甘く優しい箇所と苛烈な箇所のコントラストが効いています。
全曲注目ですが、1曲目はブライアントの「ジ・オートマティック・アース」。約30分の大作で、そんなに動きが激しい印象ではないのですが難易度はかなり高そうな印象を受けます。ダイナミクスの幅がかなり広く、解釈も難しそうな作品を見事に聴かせてくれます。
ポルトガルのピアニスト・作曲家のテルモ・マルケスの「コントラダンサ」はクラリネット協奏曲。ティアゴ・ベントがソリストを務めていますが、バンドだけでなくこのクラリネット演奏も必聴です。民俗的な要素もある楽しい協奏曲です。
「アウディヴィ・メディア・ノクテ」は皆さんおなじみかもしれませんが、これまた血湧き肉躍るド迫力の快演!バンドの技術レベルの高さもよくわかる演奏となっています。
「フェイラ・ジ・マイオ」はウルフ・ティアーズ(Wolf Tears)で第1回WASBE国際作曲コンクール2位を受賞したポルトガルの作曲家ネルソン・ジェズースの作品です。今後注目の作曲家なのでしっかりチェック。
アンコールの「アマリア」はポルトガルの作曲家フレデリコ・ヴァレリオとホセ・ガルハルドによるファドを吹奏楽にアレンジしたもので、ポルトガルのバンドとして見事にステージを締めくくっています。
レビュー:梅本周平(Wind Band Press)
商品詳細は以下の通り。
■原題:2019 WASBE Bunol, Spain: Associacao Recreativa Musical Amigos de Branca
■指揮者:パウロ・マルティンス(Paulo Martins)
■演奏団体/演奏者:
ブランカ音楽レクリエーション協会(Associacao Musical e Recreativa Amigos da Branca)
クラリネット:ティアゴ・ベント(Tiago Bento)
■レーベル:マーク・カスタム (Mark Custom)
■発売年:2019
■収録曲:
1. ジ・オートマティック・アース:スティーヴン・ブライアント [29:15]
The Automatic Earth:Steven Bryant
2. コントラダンサ:テルモ・マルケス [11:36]
Contradanca:Telmo Marques
3. アウディヴィ・メディア・ノクテ:オリヴァー・ヴェースピ [18:05]
Audivi Media Nocte:Oliver Waespi
4. フェイラ・ジ・マイオ(5月の市場):ネルソン・ジェズース [7:18]
Feira de Maio:Nelson Jesus
5. アマリア:フレデリコ・ヴァレリオ、ホセ・ガルハルド(編曲:J・コスタ・ピント) [3:51]
Amalia:Frederico Valerio, Jose Galhardo (arr. J. Costa Pinto)
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