「私が発行するCD/音楽には、すべて意味と目的があります」インタビュー:マーク・レコーズ(Mark Records:アメリカ) マーク・J・モレット氏 (Mark J. Morette)






[The English text is located below the Japanese.]

吹奏楽を中心としたアメリカのCDレーベル、マーク・レコーズ(Mark Records / Mark Recording)。

皆さんの中にも同社のCDを1枚位は持っている方も多いかもしれませんね。グラミー賞にノミネートされるようなCDもいくつもあります。アメリカを代表する吹奏楽系レーベルの一つではないでしょうか。最近はミッドウェストクリニックなど各種イベントのライブ録音のほか、おもに大学バンドのCDをリリースしています。

今回は仕事上の取引をきっかけに私(Wind Band Press梅本)と交流のあった、社長のマーク・J・モレットさんに、マークさんのこと、そしてマーク・レコーズのこと、色々とお話を聞くことが出来ました。



1. まず簡単にあなたの生い立ち、どこでどのように育ったのか、どこでどんなことを学んだのか、などについて教えていただけますでしょうか?

この度は、私の自己紹介の機会をいただき、誠にありがとうございます。 私は、Mark Custom Recording Service, Inc.の2代目オーナー、Mark J. Moretteです。 私たちは、Mark Masters(当社のプレミアレーベル)、Mark Records、Mark Custom、MarkStudios.biz、Mark Jazzのネームプレートも持っています。米国ニューヨーク州バッファローを拠点とするMark Recording社は、私の父であるヴィンセント・S・モレットによって1958年に設立され、1962年に法人化されました。 彼は、音楽教育とテープレコーダーを結びつけた、音楽技術のパイオニアでありイノベーターでした。 彼は吹奏楽部やオーケストラの監督をしていましたが、やがて録音の需要が十分に高まり、1965年頃には教師を辞めて「マーク・レコーディング」を専業とするようになりました。 小学校の吹奏楽部やオーケストラを教える傍ら、大学レベルではSUNY Fredoniaでアメリカ初の「サウンドテクノロジー・レコーディング」の学位プログラムを立ち上げて教えていました。

私は幸運にも、レコーディングの先生である父を師匠として、レコーディングやレコーディングビジネスを学びながら育ちました 16歳のときにはすでにレコーディングをしていて、自分のレコーディングした曲がラジオで放送されたこともありました。 残念なことに、父は1989年に癌で51歳で亡くなりました。 私は、プロから初心者まで、すべてのアンサンブルが高品質のレコーディングを行うべきだという父のビジョンを引き継ぐことを誇りに思っています。

私は30年以上にわたって録音を続けており、特に吹奏楽のレコーディングを得意としています。 「マーク」ブランドの録音をお聴きになると、私の独特の録音スタイルに気づかれると思います。 私の録音スタイルは「コンダクター・パースペクティブ(Conductor Perspective、指揮者視点)」と呼ばれるものです。 つまり、指揮者の声がリスナーにも聞こえるようにマイクを配置して録音するのです。 私は、コンサートホールの最高の席は、指揮台の上に立つことだと思っています。 指揮台の上では、すべての楽器の音を、ステージ上の指揮者が座っている方向から聞くことができます。 これにより、非常にエキサイティングな音場と録音が生まれます。 聴こえてくる音像は、アンサンブル全体のエネルギーや興奮、音色や響きを生き生きと表現しています。 指揮者が聞いている音をそのまま聞いているようなもので、演奏の生のパワーと感情のすべてが伝わってきます。 遠くに広がり、残響があり、楽器の定義がはっきりしないような吹奏楽の録音は、私にとっては退屈で、リスナーとしては時間の無駄です。 音楽家として、私たちはアーティキュレーション、サウンド、スタイルにたゆまぬ努力をしています。もし、録音された音が、ホールの後ろで録音されたような、はっきりとした輪郭のない、大量の音の処理をしたような音であれば、一生懸命に良い音を出そうとする理由がありますか? 「コンダクター・パースペクティブ」の録音。 これこそが、聴衆に鳥肌を立たせ、髪の毛を逆立てさせる最高の方法なのです。指揮者の声を聞くことができるのです。

私は録音もしますが、録音したものを特定のヘッドフォンで聴くのが好きです。 ソニーのスタジオモニターヘッドホン「MDR-V6」や「MD7506」です。 手頃な価格で、私が録音をしているときと同じような感覚で聴くことができます。 私たち制作チームが聞いているのと同じものを聞けば、よりよく聞き、理解し、レコーディングに取り組むことができるでしょう。 この製品は快適で、耳が疲れません。 つまり、何時間つけていても耳が痛くならないのです。

私のキャリアの中で、私はライブコンサートとレコーディングセッションの両方で、何千ものレコーディングを行ってきました。

私はこれまでに200以上のセッションを録音・制作してきました。 私がこれまでに録音したウィンドバンドは以下の通りです。ノーステキサス大学、テキサス大学オースティン校、テキサスA&M大学、テキサス大学エルパソ校、ラトガース大学、ヒューストン大学、フロリダ大学、ミシガン州立大学、コンコルディア大学シカゴ校、UNLV、ドレイク大学、マンスフィールド大学、オハイオ州立大学、ウィスコンシン・ウィンド・オーケストラ、ニュージャージー大学などがあります。 これらはマーク・マスターズ・レーベルから発売されています。

私はこれまでに1500回以上のライブコンサートを録音・制作してきました。 私のライブ録音の多くは、地球上で最も重要な吹奏楽団体や大会で録音されています。 ミッドウェストクリニック、WASBE(世界吹奏楽大会)、Music For All、そしてアメリカの多くのAll-State Conferenceなどです。 これらはマークレコード・レーベルから紹介されています。

また、私が個人的に録音していない数百もの音源を発売しています。 この3つを足せば、世界最大の吹奏楽レーベルになりますよ。

大成功を収めたライブ録音シリーズの一例として、ハリー・ベギアン博士、マーク・ハインズレー博士、ジェイムズ・キーンの指揮によるイリノイ大学の「イン・コンサート」シリーズがあります。これらのシリーズは、吹奏楽のLPレコードとしては最も早い時期に発売された「シリーズ」です。 このシリーズは、1970年代にLPレコードで始まり、28枚のCDシリーズへと続いています。

少しだけ自慢させていただきます。 私は世界で最高の仕事をしています。 吹奏楽界で最も優れた頭脳と才能を持つ人たちと一緒に仕事をしているので、毎日が音楽のマスタークラスであり、楽しいのです。 各セッション、各アンサンブル、各プロジェクトが全く異なるため、音楽、テクノロジー、人々について学ぶことに終わりはありません。 マーク・ファミリー・オブ・レーベル(Mark Family of Labels)のメンバーは、誰もが並外れた人間であることに気づくでしょう。 彼らは、素晴らしい音楽を作ることに加えて、家族、誠実さ、良いモラルを人生の最優先事項としています。

クラシック音楽レーベルであることに加えて、私たちはウエスタン・ニューヨークで最も古くて大きなオーディオ・レコーディング・スタジオでもあります。 これまでにリック・ジェームス、スパイロ・ジャイラ、ロイ・クラーク、10,000マニアックス、ミスフィッツ、ストーム・トルーパーズ・オブ・デス(アンスラックス)、グー・グー・ドールズなどのポップミュージックのスターを録音しており、国際的なスターの例を挙げることができます。


2. Mark Custom (Mark Records) を設立した経緯(なぜその事業を始めたのか)について教えて頂けますでしょうか?

前述の通り、マーク・レコーディングは父が始めた会社です。 父が癌になった1987年に私が引き継ぎました。 父が録音を始めたのは、自分のアンサンブルのリハーサルを録音するためでした。 父は、夜になって聴き直し、次のリハーサルで調整します。 やがて、彼の若いバンドやオーケストラは、年配の成熟したバンドよりも良い演奏をするようになりました。 やがて彼の同僚たちは、重要なコンサートや音楽コンテストの前にリハーサルを録音してほしいと彼に依頼するようになりました。 やがて彼は、コンサートの録音やアルバムの制作も手がけるようになりました。 1950年代後半には、録音やレコードビジネスについて学ぶために、センチュリー・レコードのプログラムに参加しました。 センチュリー・レコードは1970年代初頭まで続きましたが、その後解散してしまいました。 この業界に空白があることに気づいた父は、Mark Educational Recording ServiceとMark Recordsを立ち上げました。 すぐにアメリカ国内の25以上の関連会社がマーク・エデュケーショナル・レコーディング・サービスのファミリーに加わりました。 そのため、当時のレコードには “Mark “という名前が付いていても、LPには異なる住所が記載されているのです。

これは私が受ける人気のある質問です。「あなたのお父さんがセンチュリー・レコードのプログラムに参加したとしたら、お父さんの名前はヴィンセントだったのに、どうしてマーク・レコードという名前になったのですか?」答えはイエス、この会社は確かに、私がとてもとても若かった頃の名前に由来しています。 センチュリー・レコードの加盟店は、それぞれ自分の会社名を持たなければなりませんでした。 父と母が名前を考えている間、私は2×4の短い板の両端に2本の釘を打ち付けて遊んでいました。 片方の爪には1/4リールのテープ、もう片方には空の1/4リールが入っていた。 私がしたことは、リールの穴に鉛筆を入れてテープを回し、一方のリールからもう一方のリールにテープを何度も何度も回したことです。 私は父のように “録音 “していたのです!!! ある日、その「テープマシン」で遊んでいたら、父の足の上にテープを落としてしまったんです。 父は「マーク!」と叫んで痛がりました。 そして母は、「それが名前よ!マーク・レコーディング!」と言いました。 こうして、私たちは「マーク・レコーディング」という名前になったのです。



2017年のマークとドク・セヴェリンセン(アメリカのトランペット奏者)

Mark and Doc Severinsen from 2017


3. CDを作る、つまり録音して編集して装丁を決める過程において、Mark Customが特にこだわっていること、注意を払っていること、決まりごとなどについて教えて頂けますでしょうか?

私にはほとんどルールがありません。 しかし、そのうちの1つは、演奏の品質レベルと所属するレーベルに当てはまります。 ベスト・オブ・ベスト、レコーディング・セッションのみがマーク・マスターズ・レーベルに収録されています。 アメリカ海兵隊、東京佼成ウインドオーケストラ、アメリカのプレミア・アンサンブル、ソロ・アーティスト、室内アンサンブルでない限り、このレーベルにはライブ録音はありません。

ライブはマークレコードのレーベルに置かれます。 そのため、マークレコードのレーベルには、質の高い日本の吹奏楽団の名前も見つけることが出来ます。大阪音楽大学吹奏楽団、フィルハーモニック・ウィンズ大阪、名古屋芸術大学、洗足学園音楽大学ウィンドアンサンブル、神奈川大学吹奏楽部、国立音楽大学ブラスオルケスター、ヤマハ吹奏楽団、武蔵野音楽大学ウィンドアンサンブルなどがあります。 大会の録音はすべてマークレコードのレーベルで、ミッドウェストクリニック、WASBE、All-States(テキサス、フロリダ、ニューヨークなど)などがあります。

私は、自分が所属する「Mark」レーベルだけでなく、他のレコード会社のリリースにもレコーディング・エンジニアとして参加してきたことを、非常に誇りに思っています。 クラシックレーベルのKlavier、Centaur、Naxos、Deliosなどです。

しかし、おそらく私が持つ最も重要なルールは、すべての行動は「楽しくなければならない」ということです。 私たちが吹奏楽の仕事をしているのは、吹奏楽が好きだからです。 吹奏楽の仕事をしていても、お金持ちになれるわけではありません。 数年前にダライ・ラマの講演を聞きました。 彼はこの一行で私の人生を要約してくれました。「豊かな人生を送れ、富に満ちた人生ではなく(Live a rich life, not a life full of riches.)」。どれだけ豊かな人生を送れるだろうか? 私は世界中を飛び回り、地球上で最も優れた人間やミュージシャンと仕事をしています。 毎日が新鮮で、刺激的で、決して退屈しません。 私は音楽の創造と共有に貢献しています。 信じられないほど長時間働き、ノンストップで旅をしていますが、それは本当に豊かな人生です! そのため、私は決して引退しません。


4. マークさんは社長でありエンジニアでもありますが、特に思い出深いレコーディングのエピソードがあれば教えて頂けますでしょうか?

はい、私は会社のオーナーであり、エンジニア兼プロデューサーでもあります。 私自身、これまでに約50のグラミー賞にノミネートされました。 吹奏楽の歴史の中で、最も偉大な人たちと仕事をしてきました。

私がこれまでに行った録音の中で最も誇りに思っているのは、ロドニー・ウィンター指揮のイサカ大学ウィンド・アンサンブルによる「カレル・フサの音楽(Music of Karel Husa)」のCDです。 カレル、ロドニー、そして私の父は友人でしたが、録音当時、父は4年前に亡くなっていました。 私は録音とリードプロデューサーを務めました。 これは、全く異なる2つの強烈な仕事があるため、非常に難しい仕事です。 コントロールルームで隣に座っているカレル・フサを知っていても、少し緊張しました。 前回、彼が私に会ったとき、私はずっと若かった。 今、私は30歳の若さで、伝説的なカレル・フサの音楽について、彼の目の前でコメントしているのですから!! 彼が亡くなるまで私たちは親密な関係を保っていたので、セッションはとてもうまくいったと思います。 この録音をさらに特別なものにしているのは、1977年にフサが私の故郷に来て、彼の音楽のためのコンサートが開かれたことです。 彼はコンサートの前に「プラハ1968年のための音楽」についてレクチャーしてくれました。 私は彼の話、話し方、そして訛りに釘付けになりました。 この作品の歴史や、なぜ彼がこの作品を書いたのかということを学びました。 その日、14歳だった私は、いつかカレル・フサの音楽をレコードに録音しようと誓いました。「この人の音楽を世界に広めたい!」と思ったのです。 1993年に遡ると、私はイサカでカレル・フサの隣に座り、少年時代の夢を実現していました。 しかし、それだけではありません。 私はこのセッションを17年も前から計画していたのです。 それが現実のものとなったのです。 しかし私は、音楽的に重要なリリースであると同時に、歴史的なドキュメントとなるような録音をしたかったのです。多くの人がフサの音楽を録音してきましたが、私のものは違います。 スタジオでは、フサが作曲した時代(1960年代後半から1970年代前半)に製造されたマイクロフォンをすべて選びました。 マイクはAKG C-414EBとAKG C-460です。 ミキサーは、その時代を最もよく表現できるアナログミキサーを選びました。 F-1デジタルに録音したので、デジタル技術を使うことには抵抗がありましたが、その他の機材はすべてヴィンテージです。 フサの音楽は、私が採用している「コンダクター・パースペクティブ」の録音手法にぴったりなのです。「スメタナ・ファンファーレ」の冒頭のトランペットのファンファーレから、音がリスナーに向かってくるときに、各楽器のステレオイメージとシーティングが聴こえてきます。 「カレル・フサの音楽」の録音は、人間が手に入れることのできる本物の 「時代の録音」であり、私はその録音を非常に誇りに思っています。 アートワークやジャケット画像にも重要な意味があり、それは偶然ではありません。 CDジャケットは、地球の神格化を表しています。 黒は空を、茶色と緑は森や草があった場所を、白は海や水を表していますが、今ではすっかりなくなってしまいました。 これはフィンガーペインティングです。

また、これは私が行った合唱団の録音に関する話ですが、面白いことがあります。 伝説のアトランタ交響楽団と合唱団のディレクターであり、作曲家・編曲家でもあるロバート・ショーが、私が録音していたアンサンブルを指揮していたのです。 私は「これがあのロバート・ショーだ!」と緊張していました。 アンサンブルが席に着いている間、彼は指揮台に立っている。 私は彼の近くでマイクスタンドを設置していました。 彼は私を見て、「マイクを私の近くに置かないでくれ。 私は指揮をするときにうなることが多いんだ!」と言って振り向いた。 しかし、私は彼に話しかけられたことがとても怖くて、「イエス・サー」としか答えられませんでした。 あれはヒヤリとしましたね。

もう1つあります。 私は、いつも音の良い孤立したコンサートホールで録音できるわけではありません。 ホールの設計に欠陥がある場合もあるのです。 ある大学のホールで録音していたら、テイクの途中で突然、雨のような音が聞こえてきたんです。 私はコンサートホールの中にいて、天気も良かったのですが、何が原因でこのような音が出るのかと戸惑いました。 制作室から舞台に上がると、ディレクターが、大学が音楽ホールを改装したときに、トイレを増やしたことを伝えてくれました。それで、配管工はトイレの排水口を音楽堂の内壁に設置したのですが、その内壁とはコンサートホールの壁のことだったのです!! 誰かがトイレを使って水を流すたびに、水が排水口に流れていく音が聞こえてくるのです! 私たちはセッションを守るために、トイレのドアに「故障中」のサインを貼らなければなりませんでした!!!

 


5. アメリカも日本もストリーミングサービスの波がやってきて、CDの販売数はかなり減っているようです。Mark CustomでもMP3ダウンロードでの販売をしていますが、今後物理ディスクの販売を減らす予定はありますか?またはアメリカのロック・ポップスで流行っているようなメモリアルイヤーディスクやビニール(LPレコード)のような形でリリースをする予定はありますか?

私は、CDや物理的な製品を作ることを絶対にやめません。 あるタイトルのCDの枚数は減るかもしれませんが、音楽を聴くだけでなく、学ぶためのCDであることに変わりはありません。 ビジネスパーソンにとって、触覚を使ったマーケティングは、自分の名前を世に広めるための最高の手段です。 経営者が一番恐れているのは、素晴らしい商品を作っても、それが自分の会社の商品だと誰も知らないことです。 それがデジタル配信の問題点です。 レーベルもプロデューサーもエンジニアも、そして紙のCDに入っている情報も、誰も知らない。 目で見て、触って、読めば、記憶に残りますよね。 ダウンロードの場合は、たとえ優れたメタデータ(楽曲情報)やiTunesブックを提供したとしても、デジタルノートを読んでもらえなかったり、メタデータが再生機器に表示されなかったりすることがよくあります。 繰り返しになりますが、音楽レーベルが最も恐れていることは、消費者が自分の聴いている素晴らしい重要な音楽がどのレーベルから出ているのか分からないことです。 ストリームやダウンロードを再生しても、アーティストや作曲家が誰なのかわからないことがよくあるのですが、それは再生機器に表示されないからです。 知識のあるお客様は最高のお客様です。 私は100%のリリースにiTunesブックレット(デジタルプログラムノート)を発行していますが、それを読む人が少ないことも知っています。

私は、1960年代にスタートしたLPレコードの制作に興味があります。 しかし、LPレコードを制作するほど吹奏楽の観客が多いとは思えません。 もし、日本の市場でLPレコードに興味があれば、ソーシャルメディアで興味を示すメモをいただければ、とても嬉しいです。 ツイッターでは@MarkCustom。 フェイスブックではMark J. Morette。 メールでのお問い合わせはInfo@MarkCustom.comまで。


2015年「クラリネットとウィンド・アンサンブルのための協奏曲」を編集していたときのマークとデヴィッド・マスランカ

Mark and David Maslanka when they were editing “Concerto for Clarinet and Wind Ensemble” 2015


6. 最後に、日本の吹奏楽ファンに向けてメッセージをお願いできますでしょうか。

今回は、私のお気に入りのリリースと、その重要性についてご紹介したいと思います。 私は「Music of….」というシリーズを非常に誇りに思っています。これは、有名な吹奏楽作曲家の音楽を特集したリリースシリーズで、ほとんどの場合、作曲家をセッションに参加させています。 これにより、「Music of Frank Ticheli, Vol.3」というタイトルを見れば、フランクがセッションに参加し、コメントを提供し、これが彼の音楽を演奏するための方法であることがわかるでしょう。 彼らは素晴らしい作曲家たちですが、他の作曲家たちと違うのは、彼らが優れた人間であり、親しい友人になっていることです。 これらの逝去した作曲家と存命の作曲家の中には、次のような人たちがいます。ケネス・アルフォード、ブライアン・バルメイジズ、ジェイムズ・バーンズ、ウォーレン・ベンソン、アダム・ブレナン、チャールズ・L・ブッカー・ジュニア、アンドリュー・ボイセン・ジュニア、ダニエル・ブクビッチ、マーク・キャンプハウス、ロジャー・シッチー、グレッグ・ダナー、ヨハン・デメイ、グレゴリー・フリッツェ、デヴィッド・ギリングハム、ジュリー・ジルー、パーシー・グレインジャー、エドワード・グレッグスン、デヴィッド・ホルジンガー、カレル・フサ、ロバート・ジェイガー、カール・キング、ティモシー・マー、デヴィッド・マスランカ、リロイ・オズモン、アルフレッド・リード、ヴァーン・レイノルズ、ポール・リチャーズ、ベッツィー・シュラム、クロード・T・スミス、ロバート・W・スミス、ジャック・スタンプ、フランク・ティケリ、クリストファー・タッカー、フィッシャー・タル、パーシス・パーシャル・ヴィハー、エリック・ウィテカー、クリフトン・ウィリアムズ、ダナ・ウィルソンなどが挙げられます。

吹奏楽の録音に加えて、マークのソロアーティストや室内アンサンブルのカタログは膨大で、吹奏楽界のベストパフォーマーがソロアーティストとして参加しています。 低音部のカタログでは、地球上で最も多くのテューバ/ユーフォニアムの録音があります。 私は、チューバ/ユーフォニアムの録音数が、これまでの人生で最も多いことを誇りに思っています。 私はもともとバストロンボーン奏者ですが、五線譜の一番下にあるバストロンボーンが一番好きです。 テネシー工科大学のR.ウィンストン・モリスには感謝しています。 彼のTennessee Tech Tuba Ensembleからは27枚以上のリリースがありますよ。

私が受けた名誉は、国際パーシー・グレインジャー協会の最高名誉である「グレインジャー・メダリオン・オブ・オナー」です。 これを受け取ったのは1993年のことです。 これは、私がリリースした「The Music of Percy Grainger」という一連の録音に対する協会の評価を示すものでした。 多くの作曲家が素晴らしい新作を発表していたため、グレインジャーの音楽は国際的に人気がなくなっていたのですが、グレインジャーの音楽は70年代のものでした。 吹奏楽のプログラミングの世界でもそうですが、「古い」作品は脇に置かれ、新しい音楽が演奏されます。 私の「パーシー・グレインジャーの音楽」シリーズは、グレインジャーの音楽の復活と人気の再燃につながりました。 このシリーズでは、エディ・グリーンとトム・ベネットがヒューストン大学のウィンド・アンサンブルを指揮しています。 マーク・マスターズからリリースされたこの4枚のCDシリーズは、グレインジャーのオリジナル吹奏楽作品をすべて収録しています。

私が発行するCD/音楽には、すべて意味と目的があります。 私がいくつかのCDシリーズを始めたのは、この業界に空白があると感じたからです。 私とラトガース・ウィンド・アンサンブルの指揮者であるウィリアム・バーツ博士が発案した 「発展途上のバンドのための優れた音楽(Distinguished Music for the Developing Band)」と、「○○のための(例えばクラリネットのための)簡単なコンテスト・ソロ(Easy Contest Solos for (name of instrument here) )」です。 若いバンドやイージー・コンテスト・ソロのカタログを作成するのは難しいことです。 質の高い吹奏楽団やソロアーティストの多くは、難しい音楽を録音したいと思っています。 彼らの計り知れない才能が発揮されるような音楽を。 それは理解できます。 しかし、録音を最も必要としているのは、初心者のミュージシャンです。 これから始めようとしている若い人たちは、自分たちが演奏しているのと同じ音楽を、質の良い音色で、適切なスタイルで、演奏のヒントとともに聴く必要があるのです。 ビル・バーツと私は、音楽教育への情熱を結集して、”Distinguished Music for the Developing Band “を作りました。 「ソロ楽器のための簡単なコンテスト・ソロ・シリーズ」では、プロのミュージシャンを雇って、私が見つけた最も人気のある簡単なコンテスト用の音楽を録音しました そうすれば、初心者が演奏するのと同じ曲をプロが演奏しているのを聴いてもらうことで、初心者を鍛えることができるのです フルート、クラリネット(全2巻)、バスクラリネット、フレンチホルン、オーボエ、アルトサックス、トロンボーン、ユーフォニアム、チューバの5種類を発行しました。

もうひとつの自慢のシリーズは、「クリスマス楽器」シリーズです。 これは、同じ楽器のアンサンブルで演奏されるクリスマス音楽のシリーズです。 例えば、以下のようなものです。「クリスマス・フルート」、「クリスマス・クラリネット」、「クリスマス・サックス」、「クリスマス・トロンボーン」、「クリスマス・チューバ」、「クリスマス・スティールパン」、「クリスマス・ブラス(2枚組)」などです。 このシリーズの目的は、より簡単なクリスマスの楽曲を探し出し、中級者向けの簡単~中難度のアレンジを新たに作曲することにありました。 クリスマスの曲を選んだのは、これらの作品を人前で演奏したときに、生徒たちが素直に褒めてくれることを期待したからです。 また、学校では毎年繰り返し使える音楽でもあります。 クリスマスには誰もがハッピーになり、ポジティブなコメントをしやすくなります。

私は、世界中の素晴らしい人々や企業と仕事をすることができ、本当に恵まれています。 その中でも、ブレーン・ミュージックと日本の村上ファミリーとの親密な関係について触れないわけにはいきません。 彼らは私を家族のように扱ってくれ、アジアで仕事をする際には大いに助けてくれています。 私たちをライバル視する人もいるかもしれませんが、私たち吹奏楽の世界では、みんな友達であり、仲間なのです。 友達と一緒に仕事をすると、仕事がもっと楽しくなりますよ。

私はこれまで、さまざまなテーマで話をしてきたと思います。 私たちは典型的なレコード会社ではありません。 私たちは、高品質のプロ用録音と教育用録音を制作しています。 今回のインタビューで皆さんにお伝えしたいことは、”マーク・ファミリー “というレーベルは、初心者からプロまで、あらゆるレベルの吹奏楽の録音を最高品質で提供するために作られたもので、すべては楽しむことを念頭に置いているということです。 楽しくないものは、私のカタログには載っていませんよ!


以上、マークさんへのインタビューでした。たくさん回答頂きましたね!マークさんありがとうございました!皆さんにもマーク・レコーズ(マーク・レコーディング)を身近に感じてもらえれば嬉しいですし、もしCDを持っていれば、上記のこだわりに注意を向けてあらためてCDを聴いてみてください。

マーク・レコーズのCDはWind Band Pressのストア「WBP Plus!」でお取り扱いしています。


→Yahoo!ショッピング店


→楽天市場店

2021年12月現在、在庫のある商品みの販売で、1枚ごとの取り寄せは受けていません。発注頻度も調整していて次の発注は2022年初頭かなというところなので、在庫のある商品を早めにお買い求め頂ければと思います。

インタビュー・文:梅本周平(Wind Band Press)


Mark Records is an American CD label that focuses on wind band music.

Many of you may have at least one of their CDs. Some of their CDs have been nominated for Grammy Awards. I think it is one of the leading wind band labels in the United States. Recently, the label has been releasing live recordings of various events such as the Midwest Clinic, as well as CDs mainly for college bands.

This time, I had a chance to interview with Mark J. Morette, the president of Mark Records.


1. First, would you tell me a little bit about your background, where and how you grew up, and what you learned?

Thank you very much for the opportunity for me to introduce myself to you and your audience! I am Mark J. Morette, second-generation owner of Mark Custom Recording Service, Inc. We also have the name plates of Mark Masters (our premier label), Mark Records, Mark Custom, MarkStudios.biz, and Mark Jazz. You can find us at www.MarkCustom.com. Based in Buffalo, New York, USA Mark Recording was founded in 1958 and incorporated in 1962 by Vincent S. Morette, my father. He was a music technology pioneer and innovator who brought together music education and the tape recorder. He was a Wind Band and Orchestra director and eventually had enough demand for recording, he quit teaching and became “Mark Recording” full-time around 1965. Besides teaching elementary school Wind Band and Orchestra, at the college level he started and taught the first degreed program in the USA for “Sound Technology Recording” at SUNY Fredonia.

I was lucky to grow up recording and learning the recording business with my dad, the recording teacher as my teacher! By the age 16, I had already been recording and a recording of mine even received radio airplay. Sadly, my father passed away from cancer in 1989, at age 51. I have been proud to continue with his vision of ensuring that ALL ensembles, professional all the way down to the beginners, should have a high-quality recording!

I have been recording for over 30 years, with a specialty in Wind recordings. When you listen to a “Mark” branded recording, you’ll notice my distinctive recording style. The style of recording I use is called “Conductor perspective”. This means, I record with microphone positioning so that you the listener, hears what the conductor hears. I feel the best seat in the concert hall is standing on the podium! On the podium is where you are able to hear every instrument and from the direction on stage where they sit. This creates a very exciting sound field and recording. The audio image you hear brings to life the energy, excitement, tonality and timbre of the entire ensemble. You truly are listening to what the conductor hears, all of the raw power and emotion of the performance. To me, listening to a Wind Band recording that is distant, spread wide, reverberant and has no clear definition of instruments, is boring and a waste of time as a listener. As musicians, we work tirelessly on articulation, sound and style. If the recording sounds like it was made in the back of the hall with no clear definition and tons of sound processing, why work so hard to be good? “Conductor Perspective” recordings. That is THE best way to give your audience goosebumps and to get their hair to stand up on its end! Hear what the conductor hears!

I also record and love to listen to my recordings on specific headphones. The Sony MDR-V6 (discountinued) or MD7506, studio monitor headphones. These are affordable and truly offer you the same listening experience as I have when I create the recordings. You’ll hear, understand and interact with the recordings better when you hear what our production teams is hearing! These are comfortable and do not cause ear fatigue. This means you can wear them for hours without hurting your ears.

In my career, I have created thousands of recordings, both live concerts and in recording sessions.

I have recorded and produced over 200 sessions. Just a few of the Wind Bands I have recorded are: The University of North Texas, University of Texas?Austin, Texas A&M University, University of Texas-El Paso, Rutgers University, University of Houston, University of Florida, , Michigan State University, Concordia University-Chicago, UNLV, Drake University, Mansfield University, Ohio State University, Wisconsin Wind Orchestra, The College of New Jersey, to name a few. These are on the Mark Masters Label.

I have recorded and produced over 1500 live concerts. Many of my live recordings are recorded at some of THE most important Wind Band organizations and conventions on Earth. The Midwest Clinic (www.midwestclinic.org) , WASBE (World Association of Symphonic Bands and Ensembles, www.wasbe.org), Music For All (www.musicforall.org), as well as many All-State conferences in the USA. These would be featured on the Mark Records label.

I have also published hundreds of recordings that I have NOT personally recorded. Add all three of these up and you have the world’s largest Wind Band label!

One example of a HUGELY successful series of live recordings is the The University of Illinois “In Concert” series with conductors Dr. Harry Begian, Dr. Mark Hindlsey and James Keene. These were amongst the earliest “series” of Wind Band recordings issued on LP. This series started on LP records in the 1970’s and continued into a 28 CD series. Available at www.markcustom.com

I will brag a little bit. I HAVE THE BEST JOB IN THE WORLD! Because I work with THE finest minds and talent in the Wind Band world, every day in my life is a master class in music and is fun. I never stop learning about music, technology and people because each session, each ensemble and each project is very different. You will find every person on the Mark Family of Labels are extraordinary human beings. They place family, integrity and good morals at the top of their lives as well as making great music.

In addition to the classical labels, we are Western New York’s oldest and largest audio recording studio. We have recorded pop music stars such as Rick James, Spyro Gyra, Roy Clark, 10,000 Maniacs, Misfits, Storm Troopers of Death (Anthrax), and Goo Goo Dolls to name a few international stars.

 


2. How did you start Mark Custom (Mark Records) and why?

As mentioned above, Mark Recording was started by my father. I took over in 1987, when he developed cancer. The reason he started recording was to record his own ensemble’s rehearsals. He would listen back at night, then make adjustments in the next rehearsal. Soon, his young bands and orchestras were performing BETTER than older, more mature bands. Soon, his colleagues asked him to record their rehearsals before important concerts and music contests. Eventually, he started recording concerts and producing albums. He joined the Century Records program in the late 1950’s to learn more about recording and the record business. Century Records lasted until the early 1970’s then disbanded. Realizing there was a void in the industry, my father started Mark Educational Recording Service and Mark Records. He soon had over 25 affiliates across the USA join the Mark Educational Recording Service family. This is why you will see records from that era with the “Mark” name, but with different addresses on the LPs.

This is a popular question I receive. If your Dad joined the Century Record program, how did the name Mark Records come about, when his name was Vincent? The answer is yes, the company is indeed named after me, when I was very, very young. Each Century Records affiliate had to have their own company name. While Mom and Dad were trying to come up with a name, I was playing with a short 2×4 board, where there were two nails at opposite ends. On one nail was a ? reel of tape and on the other side, was an empty ? reel. What I did is spin the tape from one reel to the other reel, over and over again using a pencil in the reel holes to spin the tape. I was “recording” like dad!!! One day when I was playing with that “tape machine”, I dropped it on my father’s foot! He screamed out in pain “MARK!” And my mother said, “That’s the name, Mark Recording!” And that is how we became named, “Mark Recording”.

 


3. In the process of making a CD, i.e., recording, editing, and binding, would you tell me about your company’s particulars, precautions, and rules?

I have very few rules. But one of them applies to the quality level of a performance and the label it is assigned to. The best of the best and in recording sessions only are on the Mark Masters label. I do not have live recordings on this label unless it is the United Stated Marine Band, The Tokyo Kosei Wind Orchestra or premiere USA ensemble, solo artist or Chamber Ensembles.

Live performances are placed on the Mark Records label. This is why you will see high quality Japanese Wind Bands on the Mark Records label. OSAKA COLLEGE OF MUSIC WIND ORCHESTRA, PHILHARMONIC WINDS OSAKAN, NAGOYA UNIVERSITY OF ARTS, SENZOKU GAKUEN COLLEGE OF MUSIC WIND ENSEMBLE, KANAGAWA UNIVERSITY SYMPHONIC BAND, KUNITACHI COLLEGE OF MUSIC BLASORCHESTER, YAMAHA SYMPHONIC BAND, and MUSASHINO ACADEMIA MUSICAE WIND ENSEMBLE, these are just a few. All convention recordings are on the Mark Records label, such as The Midwest Clinic, WASBE, and our All-States, such as Texas, Florida and New York to name a few.

I am extremely proud to share that I have recorded not just for my “Mark” labels, but I have been a recording engineer for releases on other record labels too. These include classical labels Klavier, Centaur, Naxos and Delios.

But probably the most important rule I have is, everything I do MUST BE FUN! We are in the business of Wind Band music because we love it. To be in the Wind Band business, you are not going to get rich. I heard The Dali Lama speak a few years back. He summed up my life with this one line. “Live a rich life, not a life full of riches.” How much more of a rich life can I have? I travel the world and work with the finest human beings and musicians on Earth. Every day is new, exciting and never boring. I help create and share music. While I work incredibly long hours and I travel non-stop, it’s truly a rich life! Because of that, I will never retire.

 


4. Mark, you are the president and also an engineer, would you tell me about any memorable recording episodes?

Yes, I am the owner of the company as well as engineer and producer. I personally have been eligible for about 50 Grammy Nominations. I have worked with THE greatest names in Wind Band history and here are a few short stories.

One of the proudest recordings I have ever done is a CD of the Music of Karel Husa with the Ithaca College Wind Ensemble, Rodney Winther, conductor. Karel, Rodney and my father were friends, but at the time of the recording, my father had been dead for 4 years. I was recording and the lead producer of the session. This is extremely difficult work as there are two very different and intense jobs. Even though I knew Karel Husa, sitting next to him in the control room, I was a little nervous. The last time he saw me, I was much younger. Now, I was a young 30 years old and I’m commenting on the music of the legendary Karel Husa, in front of him!!! The session went great and I must have done a great job because we stayed close till his passing. What makes this recording even more special is in 1977, Husa came to my hometown and a concert was dedicated to his music. He gave a pre-concert lecture on his “Music for Prague 1968”. I was riveted to his story, his speaking style as well as his accent! I learned about the history of the work and why he wrote it. That day, as a 14-year-old, I vowed I would record a music of Karel Husa record someday. I wanted to share this man’s music with the world! Flash forward to 1993 and there I was in Ithaca, sitting next to Karel Husa, living out a boyhood dream. BUT, that’s not all. I had been planning this session for 17 years. It was coming to life! But I wanted to create a recording that was a historical document as well as an important musical release. Many people had recorded Husa’s music, but mine was going to be different! I went into our studio and selected all microphones that were made during the time period (late 1960’s and early 1970’s) in which he wrote the music we were recording. These were AKG C-414EB microphones and AKG C-460’s. I chose an analog mixer that would best represent that era. We recorded to F-1 digital, so I was stuck using digital technology, but all other gear was vintage. Husa’s music is absolutely PERFECT for the “conductor perspective” recording technique I use. Right from the opening trumpet fanfare of the “Smetana Fanfare” you can hear the stereo image and seating of each instrument as the sound comes towards you as a listener. The recording of “The Music of Karel Husa” is as authentic of a “period recording” as a human can get and I am extremely proud of that recording. Even the artwork and cover image has significant meaning and it is not an accident. CD cover represents the Apotheosis of the Earth. The black represents the sky, brown and green where forests and grass used to be and the white represents the oceans and water, now all gone. This is a finger painting.

While this is a story about a choir recording I did, it is funny. The legendary Atlanta Symphony and Chorus Director and composer/arranger Robert Shaw was directing an ensemble I was recording. I was nervous, this was THE ROBERT SHAW! He is standing on the podium while the ensemble was taking their seats. I’m setting up a microphone stand near him. He looked at me and said “Don’t place that microphone too close to me. I tend to grunt when I conduct!” and he turned around. But I was so intimated that he spoke to me, all I replied was “Yes sir”. That was HILARIOUS!

Here’s one more. I do not always get to record in great sound isolated concert halls. Sometimes there are flaws in the hall design. I was in a University hall recording and all of a sudden during a take, I hear what sounds like rain! I’m inside a concert hall, the weather was good, I was perplexed as to what could cause that sound? I walk onto the stage from the production room and the director tells me that when the University renovated the Music Hall, they added more toilets. But the plumbers placed the drains of the toilets on the inside walls of the music building, but the inside walls were the walls of the concert hall! Anytime someone used the restroom and they flushed the toilet, we hear the sound of the water going down the drain! We had to place an “out of order” sign on the toilet door to save the session!!!

 


5. With the advent of streaming services in both the U.S. and Japan, the number of CDs sold seems to be decreasing, and Mark Custom also sells MP3 downloads. Are there any plans to reduce the sales of physical discs in the future, or do you plan to release your music in the form of memorial year discs or vinyl (LP records) as is popular in American rock and pop music?

I will NEVER quit producing a CD or physical product. I might reduce the number of CDs I manufacture of a title, but I still believe in the CD for learning about music as well as listening. As a businessperson, tactile marketing is our best form of getting our name out to the world. The biggest fear a business owner has is to produce a GREAT product, but no one knows it’s your company that did it! That is the trouble with digital delivery. No one knows the label, producers, engineers, as well as all of the information we include on a paper CD insert. If you can see, touch, and read something, you’ll remember it. The trouble with downloads are even if we supply superb metadata (song information) and an iTunes book with our releases, often times people do not read the digital notes and the metadata does not display on your playback devise. Again, the biggest fear a music label has, is the consumer has no idea what label the great and important music they are listening to is on. When we play back streams or downloads, often times do not know who the artist or composer is, because it does not display on your playback! An educated customer is our best client. While I release an iTunes booklet (digital program notes) for 100% of our releases, I know fewer people read them.

I am interested in producing LP records again as that is where we started in the 1960’s. However, I am not sure there is a large enough Wind Band audience to produce LP records. If there is interest in LP records in the Japanese market, I’d be very happy to receive notes on social media expressing your interest. @MarkCustom on Twitter. Mark J. Morette on Facebook. Email us at: Info@MarkCustom.com

 


6. Lastly, do you have any message for the wind band fans in Japan?

I’d like to share some about my favorite releases and why they are important. I am extremely proud of the “Music of….” series, which is a series of releases that feature music of famous Wind Band composers, most often, WITH the composer at the session. This way, when you see the title “Music of Frank Ticheli, Vol. 3”, you will know, Frank was there at the session, offering comments and ensuring this is THE way to perform his music. These are FABULOUS composers, but what separates these composers from others are that they are superb human beings and they have become close friends. A few of these passed and living composers include: Kenneth Alford, Brian Balmages, James Barnes, Warren Benson, Adam Brennan, Charles L. Booker, Jr., Andrew Boysen, Jr., Daniel Bukvich, Mark Camphouse, Roger Cichy, Greg Danner, Johan de Meij, Gregory Fritze, David R. Gillingham, Julie Giroux, Percy A. Grainger, Edward Gregson, David R. Holsinger, Karel Husa, Robert Jager, Karl King, Timothy Mahr, David Maslanka, Leroy Osmon, Alfred Reed, Verne Reynolds, Paul Richards, Betsy Schramm, Claude T. Smith, Robert W. Smith, Jack Stamp, Frank Ticheli, Christopher Tucker, Fisher Tull, Persis Parshall Vehar, Eric Whitacre, J. Clifton Williams, and Dana Wilson to name a few.

In addition to Wind Band recordings, the Mark catalog of solo artists and chamber ensembles is vast and includes many of the best performers in the Wind Band world as solo artists. Our low brass catalog features the largest Tuba/Euphonium collection of recordings on Earth. I’m proud to boast I have recorded more Tuba/Euphonium releases than any person to have ever lived!!! While I am a bass trombonist by training, I love it most at the very bottom of the staff. I can thank R. Winston Morris at Tennessee Tech University for his support. We have over 27 releases out with his Tennessee Tech Tuba Ensemble!

A very proud honor I have received is the International Percy Grainger Society’s highest honor, the “Grainger Medallion of Honor”. I received this in 1993. It was to show the Society’s appreciation for the series of recordings I released titled: “The Music of Percy Grainger”. Grainger’s music had fallen out of favor internationally as many composers where publishing fantastic new works and Grainger’s music was from the 70’s. As happens in the Wind Band programming world, “older” works get set aside while new music is performed. My “Music of Percy Grainger” series led to a resurgence and renewed popularity of Grainger’s music. These releases feature Eddie Green and Tom Bennett conducting the University of Houston Wind Ensemble. Released on the Mark Masters label, this 4 CD series featured recordings of all of Grainger’s original Wind Band works.

The CDs/music I publish all have a meaning and a purpose. I started a few CD series because I felt there was a void in the industry. Two such series are “Distinguished Music for the Developing Band” which was the brainchild of myself and Dr. William Berz, conductor of the Rutgers Wind Ensemble and the second series is “Easy Contest Solos for (name of instrument here) for example, Clarinet.” It is difficult to develop a young Band or easy contest solo catalog. Most high-quality Wind Bands and solo artists want to record music that is difficult. Music that displays and shows off their immense talents. I understand this. However, the musicians who need to hear recordings the most, are the beginners! The youngsters starting out need to hear the same music they are playing, but with a good quality tone, appropriate style and with performance tips! Bill Berz and I combined our passion for music education to create “Distinguished Music for the Developing Band”! For the “Easy Contest solos for solo instrument series”, I hired professional musicians to record the most popular, easy music for contest that I could find! This way, we can train our beginners by having them listen to professionals play the same music the beginners play! I have issued these for Flute, Clarinet (2 volumes), Bass Clarinet, French Horn, Oboe, Alto Saxophone, Trombone, Euphonium, and Tuba.

Another series I’m proud of, is my “Christmas Instrument” series. This is a series of Christmas music, performed by ensembles of the same instrument. Such as: “Christmas Flutes”, “Christmas Clarinets”, “Christmas Saxophones”, Christmas Trombones”, “Christmas Tubas, Christmas Steel Pan”, and “Christmas Brass ? 2 releases”. The purpose of this series was to find easier Christmas literature and to spur new compositions of easy to medium difficult arrangements to help intermediate musicians. I chose Christmas music as I wanted to have the students receive honest and sincere compliments when they performed these works in public. Further, this would be music schools can re-use every year. At Christmastime, everyone is happy and positive comments are easier to give!

I have been truly blessed to work with great people and companies around the world. I would be remiss if I do not mention my close relationship with Brain Music and the Murakami family in Japan. They have treated me like family and have helped me a great deal when I am working in Asia. Some people may see us as competitors, but in our world of Wind Band, we are all friends and allies! It helps make our jobs more fun, when you work with friends!

I realize I have spoken on a vast range of different subjects. We are not your typical record label. We produce high quality professional recordings as well as educational recordings. What I would like you to take out of this interview is the “Mark Family” of labels has been created to provide the highest quality Wind Band recordings across ALL ability levels, beginners to professionals, all delivered with fun in mind! If it’s not fun, you will not find it in my catalog!


This is my interview with Mark. He gave us a lot of answers! Thank you, Mark! I hope you will feel familiar with Mark Records (Mark Recording), and if you have the CD, please listen to it again paying attention to the above particulars.




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