最近、色々裏で準備はしているのですが、Wind Band Pressの記事があまり出せていないので、久々に【編集長が最近思うこと】のコーナーです。
今日は「好かれる記事コンテンツの作り方、発信の仕方」というテーマ。
アマチュアの吹奏楽団やアンサンブル団体に所属する皆さんの中にも、ブログなどの記事を書くことがある方もいらっしゃるかと思います。
そういった記事コンテンツについて、書き方(作り方)や発信の仕方に正解はないですけれど、「こういうやり方だと好かれるんじゃないかな」というお話をしてみたいと思います。
好かれるというよりも、「敵を作らない」という感じのほうが近いかもしれません。
そのあたり僕が語るのもちょっとアレなんですけれども、ファンの多い方に「あなたの人気の秘訣はなんですか」とインタビューするのもちょっと違うなと思うので自分で書きます。
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ブログでもSNSでも、人気のブログだったり人気のアカウントというのがありますよね。なぜ人気なんだろうと思ったことはありませんか?
人気の秘訣はいくつかあると思いますが、目立つところでは、
・演奏が上手で、もともとファンが多い
・ブログなどの記事コンテンツが面白い、または役に立つ記事が多い
・SNSでの発信内容に好感が持てる
こんなところかなと思います。
SNSの話が気になる人のほうが多いと思いますが、その前にまず記事コンテンツの書き方のお話をしていきますね。
記事コンテンツというのは、ブログだったりnoteだったり、そういうのをイメージしてもらえれば良いかなと思います。主に文章や画像で構成されるコンテンツですね。Twitterなんかも短文の記事コンテンツと言えますが、SNSは一旦置いておきましょう。
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皆さんがバンドやグループのブログを書くときってどんな時でしょうか。
・演奏会の告知
・日々の練習日誌
・大会や演奏会の結果報告
そんなところかなと思います。
基本的な内容としてはそれで十分かなと思いますが、文章を書くときに「起承転結」のような流れを意識して、どういう構成にするか一旦考えてみるのが良いと思います。
小説などでいう「プロット」に近いですね。
伝えたいのはどういうことで、誰に伝えたいのか。
どういう流れで書けばそれが伝わるのか。
結論を最初に書くのか、それとも最後に書くのか。
などなど、文章の構成を変えるだけで、内容がだいぶ変わってきます。
演奏会の告知であれば、「演奏会やります、来てくださいね」というのが伝えたいことになるかと思いますが、ただ単に「演奏会やります、来てください」だけでなく、記事コンテンツとして面白いもののほうが、より良い反応が得られるんじゃないでしょうか。
例えば下記のような感じで、文章を書き出す前に構成を先に組んでみます。
・最近のバンドの状況(起)
↓
・演奏会情報の掲載(承)
↓
・演奏会開催に至るまでのちょっとした面白い話や裏話(転)
↓
チケット入手方法や会場までの案内、感染対策についての詳細、「ご来場お待ちしてます」というメッセージ(結)
これはあくまで一例で、構成を入れ替えても当然OKです。
構成次第でどんな文章になるかも変わっていきます。いくつかのパターンで下書きを作ってみるのも良いかもしれません。
演奏会告知の記事と、その演奏会までの道のり(練習風景や楽曲についての話など)は記事を分けて、発信回数を増やしていくのも効果的かなと思いますよ。
そして、中身の文章や構成も大事ですが、いちばん大事なのは、「推敲」です。
記事を書き終えてから、
「ほんとにこの内容でいいんだろうか」
「伝えたい人に伝わるだろうか」
「もっと興味を惹くような言葉を入れられないだろうか」
「反発を受けそうな表現や誤解を招く表現はないだろうか」
「情報に過不足はないだろうか」
「句読点の位置や多さは適切だろうか」
「画像を挟む位置はここで良いだろうか」
「もっと良い文章に出来るんじゃないのか」
と、自問自答してみましょう。
一晩寝かせる、というのが最も良いですね。
翌日になって文章を見てみると「なんかここが変だな」と思うことは多々あります。
文章を書くのは結構疲れるので、書いているときにどこかで「こんなもんでええか」とOKを出してしまう自分が出てきます。
それを落ち着いて客観的に読んでみるために必要なのが「推敲」の時間です。
もちろんグループの他のメンバーに下書き原稿を見てもらって、意見をもらうのも良い方法だと思います。
「これでいいのか?本当にこれでいいのか?もっと良い文章に出来るんじゃないのか?」と自分に問いかけることが最も重要です。
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さて、こうして無事に記事コンテンツが出来上がりました。
文章も、画像のチョイスも、全体的なバランスも含めて、非常に読みやすく伝わりやすい、過不足のないベストな文章です。
次は、そのブログを書いたこと、またはブログで書いたことの要点を抜き出したような文章をSNSに投稿して拡散を狙うことが多いかと思います。
その際に、どういった文言で投稿するかということを考えるかと思いますが、その前にSNSアカウント(Twitterの団体名のアカウントやFacebookページ)のチェックをしておくと、より拡散されやすくなるかもしれません。
皆さんもSNSをやっている方が多いかと思いますが、「印象の良いアカウント」と「印象の悪いアカウント」というのがありますよね。個人ではなく団体や企業のアカウントで。
まずはそういうアカウントの、「何が気分が良くて何が気分を悪くさせるのか」ということについて自分なりに分析してみると良いです。
基本的にSNSは個人同士のつながりを促進するためのプラットフォームだと僕は考えています。
ですので、そこに本来人格がない「企業」や「団体」が、人格を持って登場するというのは、ちょっとしたイレギュラーだと思うのです。
今や各プラットフォームも企業などに「ここで商品を宣伝しましょうよ」と煽っているくらいなので、普段はタイムラインに企業や団体のアカウントの投稿が流れてきてもあまり違和感なく受け入れている人も多いと思いますが、基本的にはこれはイレギュラーなことだという認識を持っておくと良さそうです。
「中の人」が人気を博している企業アカウントもあるので、それを真似しようとする楽団やグループのアカウントもありますが、例えば僕の場合は、「企業や団体の看板を使って私的な投稿をする」アカウントが嫌いです。
それが好きな方もいらっしゃるので何が正しいというわけではないのですが、自分が見ていて「これは嫌だな」ということは、やらないほうが良いでしょう。性格的な向き不向きというのもあります。
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個人の演奏家などの方でも、印象の良いアカウントと悪いアカウントがあります。
僕にとって印象の良いアカウントは、言葉遣いが丁寧であったり、ユーモアがあったり、人を責めたり貶めたりしない人であることが多いですね。
誠実なお人柄、みたいものが見えるアカウントが好きです。あとは動画の使い方が上手かったり。(TwitterはJASRACと提携していないので動画の使用については注意が必要です)
団体のアカウントもおそらく似たようなところはあると考えます。
私的な投稿をしない(中の人が楽団のアカウントを私物化しない)ということも重要ですが、「人を惹きつける楽団アカウントに必要な素質とはなんなのか?」と考えてみると、結構シンプルで、
「見えない部分を見せてくれる(楽団としての公式かつ積極的な情報公開がある)」
「他人を傷つけたり貶めたりするような言動をしない」
「言葉遣いが丁寧で、誠実である」
というようなところかなと思います。
それだけで人を惹きつけられるわけではないのですが、最低限の素質として持っておきたいものですので、今のアカウントが担当者に私物化されていて、私的だったり攻撃的だったりする発信が多いのであれば、担当を変えるなりしたほうが良い、ということになります。
そのうえで、地道な発信で徐々に好感度を上げていければ良いのではないでしょうか。
フォロワーの数を成功指標にされている楽団も多いかもしれませんが、フォロワー数はまったく重要ではありません。
これについては過去記事を参照してみてください。
→【編集長コラム】SNSでモノを買う時代に僕らはどうやって「演奏会」を売ればいいのか?
今、自分たちのアカウントがどのフェーズにいるか、客観的に見て運用していきましょう。
名前がまだ知られていない段階なのか、名前は知られているけど集客出来ない(売れない)のか、などのフェーズによって、まず何をすべきかということが変わってきます。
フォロワー数も重要ではないし、バズを狙う必要もありません。
またUGC(他のユーザーが自分たちのことについて何かを投稿する)をエゴサすることもあると思いますが、すべてリツイート、引用ツイート、またはシェアをする必要もないです。UGCをシェアする場合は「これぞ」という数件だけ選んでみましょう。
リプライについてはよほど失礼な内容(いわゆるクソリプ)ではない限り対応する、などの運用ルール(ガイドライン)を自分たちで決めておきます。
重ねてのお話になりますがSNSは基本的には個人同士の交流のためのツールで、そこに個人ではないアカウントが入り込んでいる状況です。
中には「SNS運用は顧客との関係性を構築するウンタラカンタラだから交流するのが大事」というようなことをおっしゃる方もいて、それについては否定はしませんが、「いいね」を押すだけでも十分に交流になり得ます。
中の人が楽団の看板で私的なツイートを垂れ流したり、私物化して他のアカウントと私的なやり取りをすることが「親近感があること」だとは僕は思いません。それは個人アカウントでやれば済むことです。
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SNSでの告知は、企業で言えば「営業」の一種です。
個人の演奏家などの場合は、人柄や、演奏動画といったその人固有のコンテンツそのものがそのまま営業ツールになります。人柄に難があったり、演奏者としての能力が低ければ、営業ツールとしては弱いということになりますね。
企業アカウントをよく見ていると参考になるかもしれませんが、楽団アカウントの場合は、自分たちの過去の演奏や活動の裏側など、楽しい話題や、他の楽団の役に立つような話題を用意したいですね。
それはブログからの抜粋でも良いですし、ブログ更新の告知の際に「こんなことを書きましたよ」と一言添えるだけでも良いかもしれません。
決して中の人の個人的な話がメインにならないように注意したいところです。
どうしても楽団の看板を背負って私的なアカウントをやりたい、というのであれば、アカウントを独立させて、楽団員それぞれに自分の「楽団員としての専用アカウント」を運用させたほうがいいかなと思います。企業では「ホットリンク」さんがそれをうまくやっていますね。
楽団アカウントはどんな感じで運用すれば良いのか、という話は、好き嫌いの部分も大きいので、上記は僕の好みがベースになっています。
あなたが惹かれるのはどんな人やどんな楽団アカウントでしょうか?
自分がフォローしているアカウントの中から、好きなアカウントの投稿をよくチェックして、そのアカウントの何に惹かれているのか、よく考えてみるのも良いでしょう。
人は自分にないものを持っている人に惹かれる傾向があるらしいです。自分たちのアカウントのウィークポイントが見つかるかもしれませんよ。
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というような感じでSNSアカウントの見直しも終わったところで、ようやく「ブログ書きましたよ!」ということをSNSで告知できる体制が整います。
SNSアカウントをどのようなスタンス、テンションで運用するか決まっていれば、告知の仕方もそれに合わせていけば良いと思います。
細かいことを言えば、Twitterの場合は、どれだけフォロワー数が多くても、「ブログ更新しました」という文言にリンクをつけただけではあまりアクセスしてもらえないと思うので、どういう内容の記事コンテンツを作ったのか、一言添えつつ、ブログの見出しもしっかりと記載するのが良いかなと思います。
Facebookページの場合は、たくさん書けますから、ブログ記事にリンクしつつ、特に演奏会開催の告知であれば詳細をすべて投稿に含めてしまったほうが良いでしょう。
あとはアイキャッチ画像もこだわりたいですね。フリー素材よりは、皆さんが撮影した練習風景などのオリジナルな写真(ブログ内に使う写真と同じでも良いです)をアイキャッチにしたほうが、クリックされるような気がします。
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【まとめ】
・記事コンテンツは、「構成」と「推敲」が重要になる。
・SNSでの発信の前に、アカウント運用の見直しをする。
今日はこんな話でした。
「伝える」ことと「伝わった」ことは全く別のことで、短文ツイートから長文ブログまで、コンテンツは、「どう伝わったか」がすべてになります。
ですから「書く」ということに関しても、執筆のプロ、編集のプロ、校閲のプロなど、様々なプロの職業が成り立つわけです。
楽団の記事コンテンツは、プロでない人が作らなければいけない場合のほうが多いかと思います。
考えれば考えるほど大変な作業ですが、本記事が何か少しでもお役に立てれば幸いです。
ではまた!
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