WBP Plus!に登録した商品でレビューを書いたもののWind Band Pressで紹介していなかった商品がたまっていたので紹介していきます。
今回のレビューはデ・ハスケ(De Haske)から発売されたCD「クリスタル・マジック:吹奏楽ベストセレクション」です。
ハル・レナード・グループのカタログ集、最新盤(2019年9月時点)ですね。このシリーズは最近は基本的に過去音源の寄せ集めなので演奏団体や指揮者はバラバラです。卸元からも指揮者や演奏団体の細かいインフォは届いていないしレーベルサイトにも記載がないですね。入荷したらバックインレイを確認して書き加えるかもしれません。
メインはベルト・アッペルモントの「クリスタル・マジック」になるのかな。タイトルは可愛らしいですけど、聴いてみると結構ゴツイです。ファンタジックなパートもあるのですが全体的にゴツイので激しいのがお好きな方なら聴いておくと良いかも知れません。演奏も良いですね。もうひとつのアッペルモント作品の「起源」はそんなに激しくないですが映画音楽風というか、その辺りは昔とあまり変わらずアッペルモントっぽいです。メロディが美しくて僕は好きですが、「勝てるコンクール自由曲」(そんなのないけど)を探している方には向かないでしょう。ただまあこういう作品ほどバンドの力が問われそうですけどね。トライするならこっちかな。聴いている分にはどちらの作品も面白いです。
他にもいつもの面々が並んでいます。先に作品集の情報が届いていて当店でも販売開始していたドスの作品集に収録されていた「ウィングス・トゥ・フライ」「マジェスティック・ウォーターズ」も素敵ですし、スパークの「デザート・ダンス」「ステップ・バイ・ステップ」もスパークらしいちょっと可愛いメロディと美しいサウンドが全開。「ステップ・バイ・ステップ」は「バンドワゴン」に近いですね。シュヴァルツの「鉱夫の物語」は鉱山労働者と悪魔の協定について書かれた作品で、相変わらずドラマティカ・マグナムが炸裂しています。よくここまでドラマティカ作品を連発出来るなあと感心しますが、これが彼の個性なんでしょうね。もちろんものっそいカッコイイです。
クラウザの「センチュリー・オブ・ミュージック」は古き良き吹奏楽、という感じのオーソドックスな作品で、スクールバンド向けですかね。ヨーロッパはドラマティコな方々が多いのでこういう曲を聴くと妙に安心しますね。
2枚目はいつもどおりポップスメインです。ヴェースピなんかは「シンフォニックな作品が評価されがちだけどもともとポップなセンスもあるんだよな」と思い出させてくれるような作品ですね。振り幅広いですよねヴェースピ。「アウディヴィ・・・」だけじゃないんでよろしくおねがいします。ポップスアレンジも「知らないアレンジャーだから聴かない」みたいなのはもったいないですよね。名前を知っているかどうかとアレンジの中身(好き嫌い)は別なので、合わせて2枚目も聴いてもらいたいです。
WBP Plus!にも追々楽譜を商品登録していく予定ですが、まだ登録されていない楽譜も取り寄せ出来るので、欲しい物があればお気軽にお問い合わせください。
レビュー:梅本周平(Wind Band Press)
商品詳細は以下の通り。
■原題:Crystal Magic : Best Selections for Concert Band
■指揮者:V.A. (V.A.)
■演奏団体/演奏者:V.A. (V.A.)
■レーベル:デ・ハスケ(De Haske)
■発売年:2019
■収録曲:
DISC 1
1. ウィングス・トゥ・フライ:トーマス・ドス [7:10]
Wings to Fly:Thomas Doss
2. ステップ・バイ・ステップ:フィリップ・スパーク [3:34]
Step by Step:Philip Sparke
3. 起源:ベルト・アッペルモント [7:58]
The Source:Bert Appermont
4. マジェスティック・ウォーターズ:トーマス・ドス [12:02]
Majestic Waters:Thomas Doss
5. センチュリー・オブ・ミュージック:エティエン・クラウザ [8:22]
A Century of Music:Etienne Crausaz
6. デザート・ダンス:フィリップ・スパーク [4:52]
Desert Dances:Philip Sparke
7. トリビュート・トゥ・ア・マエストロ:ジャン=フィリップ・ラモーの主題による変奏曲:ヤン・デハーン [12:02]
Tribute to a Maestro: Variations on a theme by Jean-Philippe Rameau:Jan de Haan
8. 鉱夫の物語:オットー・M・シュヴァルツ [11:00]
The Miner’s Saga:Otto M. Schwarz
クリスタル・マジック:ベルト・アッペルモント
Crystal Magic:Bert Appermont
9. I. カーネリアン:忍耐の石 I. Carnelian: The Stone of Perseverance [2:36]
10. II. オパール:不幸の石 II. Opal: The Stone of Misfortune [2:32]
11. III. アメジスト:知恵の石 III. Amethyst: The Stone of Wisdom [2:47]
12. IV. アメゾナイト:遊び心の石 IV. Amazonite: The Stone of Playfulness [2:52]
DISC 2
1. トランスフォーメ―ション(映画「美女と野獣」より):アラン・メンケン(編曲:マルク・ジャンブールクィン) [4:06]
Transformation:Alan Menken(arr. Marc Jeanbourquin)
2. プラウド:ヤコブ・デハーン [3:42]
Proud (Grutsk):Jacob de Haan
3. フレンドリー・テイクオーヴァー:オリヴァー・ヴェースピ [9:55]
Friendly Takeover:Oliver Waespi
4. ユー・レイズ・ミー・アップ:ロルフ・ラヴランド(編曲:ベルト・アッペルモント) [4:36]
You Raise Me Up:Rolf Lovland(arr. Bert Appermont)
5. リスペクト:アレサ・フランクリン(編曲:ペーテル・クライネ・スハールス) [2:30]
Respect:Aretha Franklin(arr. Peter Kleine Schaars)
7. メキシカーナ:ティエリー・ドゥルルイエル [3:38]
Mexicana:Thierry Deleruyelle
8. ガールパワー!;編曲:ティモシー・グレイヴス [6:04]
Girl Power!:arr. Timothy Graves
9. バンボレオ:ジプシー・キングス(編曲:ゲラルト・オスヴァルト) [3:31]
Bamboleo:Gipsy Kings(arr. Gerald Oswald)
10. ハピアー:マシュメロ&バスティル(編曲:トム・スタンフォード) [3:45]
Happier:Marshmello ft. Bastille(arr. Tom Stanford)
11. コールドプレイ・イン・シンフォニー:コールドプレイ(編曲:ベルト・アッペルモント) [7:37]
Coldplay in Symphony:Coldplay(arr. Bert Appermont)
12. アレサ!:アレサ・フランクリン(編曲:ジルベール・ティンナー) [7:45]
Aretha!:Aretha Franklin(arr. Gilbert Tinner)
13. U2・オン・ステージ:編曲:ヴォルフガング・ヴェスナー [6:48]
U2 on Stage:arr. Wolfgang Wossner
14. シャロウ:「アリー/スター誕生」:編曲:ポール・マーサ [3:02]
Shallow:arr. Paul Murtha
15. 「ヒックとドラゴン」聖地への冒険より ハイライト:ジョン・パウエル(編曲:マイケル・ブラウン) [5:58]
How to Train Your Dragon: The Hidden World:John Powell(arr. Michael Brown)
16. オール・スター:グレッグ・キャンプ(編曲:マット・コナウェイ) [2:54]
All Star:Greg Camp(arr. Matt Conaway)
17. ザ・ミドル:編曲:ポール・マーサ [2:53]
The Middle:arr. Paul Murtha
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