先日、とある中学校でアレクサンダーテクニークを活かした、
身体の動きと演奏の関係についてレッスンをして来ました。
一日のレッスンの中でとても興味深かったのは、
指揮を振る顧問の先生の在り方で生徒たちの音が全く変わる瞬間を目の当たりにしたことです。
生徒と先生に協力してもらい、こんな実験をしました。
普段から練習している基礎合奏のパターンを使い、
◯実験1
いつもと同じように始める
◯実験2
先生に首の辺りをギュッと固めてもらい、
身体の緊張状態を保ちながら教室に入って来て始めてもらう。
◯実験3
先生にギュッと固めるのをやめてもらい、
意識的に「首の辺りの楽さ」について注目して、教室に入って来て始めてもらう。
実験2と3で先生がどんな事を考えているかは教室の外で説明をしてるので、
生徒たちはもちろん知らない状態です。
さて、この3つ実験を試してみたところ、生徒も先生も「実験3」が演奏しやすく、
しかも音色や全体の響きが伸びやかになった印象だったようです。
聴いている僕も同じ感想で、
実験3は音の最初から響きのある音が聴こえて、全体の音が協調している様子。
この実験はF.M.アレクサンダーさんが発見した、
「頭と脊椎(背骨)の関係が身体全体の動きに大きな影響を与える」という考えに基づいています。
指揮者が何をしているか、どんな様子でいるかは、演奏する側に大きな影響を与えているんですね。
もちろん、これは指揮をする側にとっても同じことが言えます。
生徒も先生も、お互いに無意識のうちに沢山の情報を受け取りあっている。
まさに、音楽を通したコミュニケーションです!
指揮と演奏者のコミュニケーションでお悩みのバンドさん、
このような見方で練習を始めてみてはどうでしょか?
興味がありましたら、試してみてくださいね!
※この記事の著作権は石川佳秀氏に帰属します。
石川佳秀氏 プロフィール
千葉県松戸市出身
小学校、高校と吹奏楽部でテューバを担当した後
尚美学園大学、芸術情報学部、音楽表現学科に進学
在学中は、安元弘行、佐野日出男、荻野晋、故仲村淳の各氏にテューバを
後藤文夫氏に室内楽を師事
大学卒業後は千葉県のテーマパークにてスーザフォン担当として出演する傍ら、
フリーランス?ミュージシャンとして幅広いジャンルでの演奏活動を行う
また後進の指導にも力を入れており、アレクサンダー・テクニーク教師資格を2017年5月に取得
地元松戸市や千葉県内外に関わらず、小学生から大人までレッスンや吹奏楽の合奏指導を行う
及川音楽事務所第23回新人オーディション合格
2012年草加市演奏家協会クラシック音楽オーディション合格、演奏会員
ブリランテ・ウィンド・アンサンブル、テューバアンサンブル「ルート5」、「TUBA PARKs」メンバー
協賛
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