アートピアホールと名古屋アカデミックウインズが提携し、「楽器をはじめてみたい。」「うちの吹奏楽部は部員が少ないので、大編成の曲にチャレンジ出来ない。」「将来は演奏家になりたい。」そんな中高生の皆さんの夢のお手伝いをするプロジェクト、「アートピア・ウインドアンサンブル・アカデミー」が始まりました。
今回は名古屋アカデミックウインズ代表の佐野さんに、「アートピア・ウインドアンサンブル・アカデミー」についてメールインタビューをさせていただきました。
―今回は「アートピア・ウインドアンサンブル・アカデミー」についてお伺いします。まず、あらためてこのプロジェクトの目的や概要をお伺いできますでしょうか。
このプロジェクトでは、楽器の基本的な演奏法を習得し、楽譜を読み取る力をつけ、かつ、仲間とひとつのものを作り上げる「合奏」を通して協調性を育み、学んでいくことが目的です。
―このプロジェクトが始まったきっかけは何だったのでしょうか。
昨今、吹奏楽部が廃止されたり、放課後の練習時間が極端に少なく、楽器をやりたくても満足にやれない状況が増えています。
そこで、学校の枠を超えたところで何かできないかと、青少年センター「アートピアホール」さんと同時期に、同じことを考えていたのがきっかけでした。
―愛知県内の中高生と指導者が対象となっていますが、吹奏楽部に所属している生徒も参加できるのでしょうか。
吹奏楽部に所属している生徒さんも、もちろん!参加可能です。
また、小学生や大学生、社会人からのお問い合わせを多くいただいたので、青少年、つまり「アンダー29歳」に、枠が広がりました!
―このプロジェクトでアートピアホール、名古屋アカデミックウインズ、それぞれが果たす役割はどのようなものでしょうか。
アートピアホールは、放課後の部活動の時間が以前より少なくなってる、吹奏楽部が廃部になると言う理由から、思う存分吹奏楽に取り組めない状況において、吹奏楽活動の拠点の役割を担うことができます。
名古屋アカデミックウインズは、レッスンを通じて、もっと上手くなりたい!大勢の仲間と音楽をしたい!というみなさんのお手伝いをする役割を担います。
―名古屋アカデミックウインズとして(教える側として)のこだわりはどんなところですか。
受講生の皆さんの悩みや、疑問を解決することを大切にしています。
また、音楽の基礎知識(例えばフレーズの作り方など)や基本的な演奏法を身につけていただくことも重視しています。
―今後、愛知県外のホールとも協力してアカデミーを全国に広げていく予定はありますでしょうか。
今のところはございませんが、他ホールさんからもしお問い合わせがあれば、ぜひ、実施したいです。
―最後になりますが、このプロジェクトの今後の展望についてお聞かせください。
この先10年、20年と長く続く活動にしていきたいです。
長く続けていく中で、Jリーグチームがジュニアのサッカー選手を育成する機関を設けているように、この活動からも、将来的にプロフェッショナルな奏者が生まれるような機関になればと思っています。
そして、学校の枠を超えた、一つのホールを拠点としたこの活動が、ウインドアンサンブルの新しいスタイルとして定着させていけたらと思っています。
インタビュー・文:梅本周平(Wind Band Press)
まとめ:
確かにこれだけ少子化少子化と叫ばれる昨今では思うように練習できない環境にある学生さんも多いかと思うので、こういった取り組みは歓迎したいところですね。
全国的に広まるためにも、まずこのプロジェクトが成功例を出さないと、なかなか手を上げてくれるホールも少ないでしょう。
今後の活動におおいに期待したいところです。
■名古屋アカデミックウインズ プロフィール
2010年3月、JWECC2010(日本管楽合奏指揮者会議)メインコンサートに出演したことが契機となり結成。
その名の示す通り、ウインドアンサンブルレパートリーの研究、開発、演奏スタイルの確立、高い技術や音楽性の追求を目的とする、今までにない、はっきりとした方向性を持った団体である。
これまでに2010年7月熱田文化小劇場「クリニック&コンサート」、2011年4月JWECCMIDスペシャルコンサート「~All New!~」に出演、10曲近い世界初演・日本初演作品を取り上げ話題を集めた。
また、2011年10月からスタートした室内楽シリーズでも、ウインドアンサンブルとしての吹奏楽をテーマとし、注目を集めている。
2012年アートピアホール(名古屋市)にて「昭和懐メロ吹奏楽VS平成最前線」と題して開催した第1回定期演奏会では、ヒンデミットの交響曲変ロ調を始め吹奏楽の過去から現在まで、時代を追った作品を取り上げ、好評を博す。
ブレーン株式会社からこれまでに発売されたアルバム、マスランカ作品集「Liberation」、日米話題の作曲家新作集「ヴィヴィッド・ジオグラフィ」、2013年6月に~モートン・グールド生誕100年~と題して開催した第2回定期演奏会のライブ録音「オプセシォネル」は、このバンドの高い技術・音楽性を伝えるものであり、学術的な部分でもその名に恥じない内容である。
「フレデリック・フェネル生誕100年」をテーマに開催されたJWECC2014では、「フェネルの演奏法」講座のモデルバンドを務めた他、「Dr.フェネルのお気に入り」と題してスペシャルコンサートを行い、バンドジャーナル誌内で秋山紀夫氏の記事に取り上げられ、高く評価された。このスペシャルコンサートはブレーン株式会社から「アイ・ヒア・ヒム!」のタイトルでライブ録音CDとしてリリースされている。
最新アルバム「トッカータ・フェローチェ」(ブレーン株式会社)では、ネリベル未発表作品を収録し、吹奏楽ファンの間で話題となっている。
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