現在、「デビュー10周年記念コンサートツアー」で全国をツアー中の「アリオン・サクソフォン・カルテット」。
アンサンブル・コンテストでも人気の八木澤教司さんの作品「アリオンの琴歌」の委嘱団体でもあります。
11/19には広島公演を行い、その「アリオンの琴歌」も含め、素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれました。
終演後の打ち上げにもお邪魔して、テナーの佐野功枝さんに、アリオンのこと、またそのほかの佐野さんの活動についてもインタビューさせていただきました。
―まずは、アリオン・サクソフォン・カルテット結成のきっかけからお伺いしたいと思います。
元々は男性4人でやろうとしていたそうなんですが、私が堀江さん(ソプラノ)と一緒にやろうとしていて、まずは遠藤さん(バリトン)、堀江さん、私で集まって、もう一人入れるなら小森さん(アルト)だよね、っていう話になって、小森さんを口説き落として、カルテットを始めました。私と堀江さんは同じ大学(愛知県立芸術大学)で、遠藤さんと小森さんは高校生の時からのお付き合いなんです。
―アリオンは今年で10周年になるわけですが、これまでを振り返っていかがでしょうか。
楽しいこともあったしケンカしそうになったこともありましたが、それを全部乗り越えて、今はすごく楽しいです!
―凄く仲の良いアンサンブルですよね。
仲良しすぎて気持ち悪がられるくらいです(笑)
―今回の10周年ツアー、初日は9/13にデビューと同じ名古屋の電気文化会館から始まりましたが、これまでの反応はいかがでしょうか。
マスランカはやっぱり難しいみたいですね。他の作品は反応が良いんですけれど・・・(苦笑)
―ツアーも残すところあとわずかですが、年内最後となる11/25の大垣公演と、ツアーファイナルとなる年明け1/14の名古屋公演、それぞれの聴き所やポイントなどお伺いできますでしょうか。
大垣公演は、ツアーの年内の集大成みたいな感じで、アリオンの色んな色が見えるコンサートになると思います。ちょっとポップスよりなものもあるし、クラシカルなものもあるし。
名古屋公演はそれとはちょっと違って、年内のものとはプログラミングも変えてゲストにも田中靖人さんをお迎えします。これまでの公演を聴いた方でも楽しめる内容になっていますね。もうチケット完売しちゃってるんですけど(笑)
―アリオンの今後の活動についてお伺いできますでしょうか。
年内では、12/23にディナー付きのクリスマスコンサートを行います。来年のことはまだ考えてません(笑)
ただ、これまでは委嘱をたくさんやってきたので、今後は音大生なら必ず取り組むようなサックスの定番作品に、あらためて取り組んでみたいと思っています。
―アマチュアのサクソフォン奏者に最も伝えたいことを教えてください。
気の合う仲間を探して欲しいですね。やっぱり1本もいいけど、もっと四重奏を組んでほしいと思います。
―続いて、佐野さん個人の活動についてもお伺いしていきますね。まずは佐野さんが代表を努められている「名古屋アカデミックウインズ」なんですが、代表としての役割や今後について、お聞かせ願えますでしょうか。
役割としては、全体統括と、アイデアを考えることや、(常任指揮者の)仲田先生と一緒にコンサートを作っていく、コンサートのアイデアを考えていく、そういったことのリーダーですね。部活の部長さんみたいな感じです。
今後の目標としては、今の団員ももちろん大事ですが、音大を出ても仕事がないという若い人の受け皿になりたいなと思っています。この先、私たちが死んだ後もずっと名古屋に残るような楽団を作りたいですね。
あとは中高生の中には基礎的なフレーズ作りなどを学ばないまま楽器を続けて来てしまっているような生徒さんも多いので、そういう生徒さん向けに名古屋市文化振興事業団アートピアホールと共に「アートピア・ウインドアンサンブル・アカデミー」という、ジュニア・バンドのような、勉強していく会を立ち上げるんですが、それを頑張っていきたいです。
―ソロ奏者としても活動されていますが、ソロ活動のきっかけと、今後についてお聞かせください。
元々は吹奏楽部の先生になりたいと思って音大に行ったのですが、大学時代にソロのほうも頑張っていたら「第7回『静岡の名手たち』」のオーディションに受かったので、それがきっかけかもしれないです。
ただ自分がもっとソロを頑張ろうと思ったのは、アリオンのメンバーの影響が強いです。彼らが先頭に立ってそういうことをやっている方たちだったので、「私もそうなりたい」と思ったのが大きいですね。彼らのおかげです。彼らがいなかったら、サックス辞めてたかもしれない(笑)
今後については、今までは400人くらいのキャパのところでやっていたんですが、もっと小さなキャパのところで、「今、自分がやりたいこと」をどんどん発信していきたいと思っています。
インタビュー・文:梅本周平(Wind Band Press)
まとめ:
佐野さんとはもうだいぶ前にSNSを通じて知り合ったのですが、数年越しでようやくお会いすることが出来ました。
今回はアリオン・サクソフォン・カルテットのことを中心にお伺いしましたが、佐野さんの周りはいつでも面白いことが沢山!
その行動力は演奏家ならずとも見習いたいところが多いです。
またいずれ機会があれば他のことについても色々とお伺いしてみたいと思います。
同日収録(?)のアリオン・サクソフォン・カルテットの皆様からのビデオメッセージはこちらの記事でどうぞ。
■佐野功枝(Norie Sano) プロフィール
静岡県出身。愛知県立芸術大学卒業。
在学中、中川良平氏率いる「東京バッハ・バンド」東京、仙台公演参加。
第7回「静岡の名手たち」オーディション合格。静岡音楽館Aoiにて同コンサート出演。
2006年より、名古屋、東京、富士の各地でソロリサイタルを開催。
リサイタルでは毎回作曲家に委嘱作品を依頼し、クラシカルサクソフォン作品のレパートリー開拓を試みている。委嘱作品のうちいくつかが、現在フォスターミュージックより出版楽譜として発売さている。
また、2005年より所属するアリオン・サクソフォン・カルテットのリサイタルを全国各地で開催。
これまでにソリストとしてセントラル愛知交響楽団と共演。
演奏活動の他、吹奏楽指導者、女性の為の生涯学習講座の講師を務めるなど活動は多岐に渡る。
サクソフォンを雲井雅人、池田崇明、中嶋英乃の各氏に、室内楽を菅原眸、中川良平、村田四郎の各氏に師事。
名古屋アカデミックウインズ代表。SAXY FIVE+2、トリオLovishメンバー。
アリオン・サクソフォン・カルテット及び一宮市消防音楽隊テナーサクソフォン奏者。JWECC(日本管楽合奏指導者会議)会員。現代邦楽みさと笛三級師範。
これまでに2枚のソロアルバムをリリースしている。
「illumination」(フロレスタン株式会社 FLCP-21019)、「Fairy Tale」(ツキヤレーベル TKYL-1001)
■アリオン・サクソフォン・カルテット プロフィール
2005年4月東海地区で活躍する堀江裕介、小森伸二、佐野功枝、遠藤宏幸の4人が集結。
2006年3月には名古屋市「電気文化会館ザ・コンサートホール」に於いてデビューリサイタルを開催、以降全国各地でコンサートを行い、いずれも高い評価を受けている。
さまざまなコンサート、イベントに参加する傍ら毎年夏にはメンバー4人が講師を務め音楽大学受験生、音楽大学生を対象に強化合宿を開催するなど教育にも力を注いでいる。
「アリオン・サクソフォン・カルテット」という名は、ギリシャ神話に登場する竪琴の名手「アリオン」に由来する。
イルカをも魅了したアリオンの竪琴のように、4人の奏でるサクソフォンのサウンドは聴衆を魅了する。
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