【インタビューあり】會田瑞樹自作自演によるリサイタル 書いて奏でて響かせて(2022/2/14:トーキョーコンサーツラボ)






これまでに300作品以上の新作初演を手がけ、初演魔の異名をとる打楽器奏者の會田瑞樹氏が、自作自演によるリサイタルを開催する。

會田氏は14歳で処女作となる打楽器アンサンブル作品《星の流れは大地を目指す》を発表。

その後も実直に作曲活動を続け、2019年第10回JFC作曲賞入選、2020年リトアニアと日本の両国の民謡を多彩に取り入れた《Sutaritines》はリトアニア国営放送による放送と絶賛のレビューを受け、2021年には弦楽オーケストラのための《Ultramarine-beyond the sea》がリトアニア聖クリストファー国際作曲コンクールLMIC特別賞を得るなど、近年その評価は国際的にも高まっている。

今回のリサイタルではこの数年の會田氏による作品が一堂に会し、まさに現代を生きる「芸術家」としての姿勢を前面に押し出した、氏にとっての初の個展となる。

公演詳細は以下の通り。


日時:2022年2月14日(月) 18時30分開場/19時開演(終演予定20時50分)

会場:トーキョーコンサーツラボ
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18 AVACOビル1階
東京メトロ東西線「早稲田駅」より 徒歩6分
東京メトロ副都心線「西早稲田駅」より 徒歩10分
JR山手線・西武新宿線「高田馬場駅」から
都バス<学02>「西早稲田」より 徒歩2分

入場料:2,000円(全席自由)

チケット購入方法:チケットぴあ
・Pコード:209230

出演、プログラム:(予告なく変更の場合があります)

第一部 with・・・そのあとへ君の名を。

《ISOのための組曲 ~トランペットとヴィブラフォンのために~》(2019/2022)
トランペット:曽我部清典 ヴィブラフォン:會田瑞樹

《賽 ~エレキベースとヴィブラフォンのための~》(2019)
エレキベース:佐藤洋嗣 ヴィブラフォン:會田瑞樹

《Kampai-Diveritimento for Koto and Vibraphone》(2018)
十三弦箏:山水美樹 ヴィブラフォン:會田瑞樹

《Welly for Gender and Vibraphone》(2018/2020)
グンデル:谷口かんな ヴィブラフォン:會田瑞樹

《雨の降る前に・・・ 二人の奏者と一台のヴィブラフォンのために》(2021)
ヴィブラフォン:谷口かんな/會田瑞樹

《踊れ、赤い靴》(2020)
ヴィブラフォン独奏:會田瑞樹

第二部 音楽と言葉の出会い

《マリンバ・ファナティコ》(2021)
マリンバ独奏:會田瑞樹

《星への航海のための前奏曲 ピアノのために》(2021)
ピアノ独奏:清水友美

音楽絵本組曲《ヨビボエン》(2019)
打楽器:谷口かんな 語りと歌:佐原詩音

《Yo-vivo-en go to NewYork for Clarinet and Vibraphone》(2020)
クラリネット:西村薫 ヴィブラフォン:會田瑞樹

《あれから小町 独唱、ヴィブラフォン、打楽器とコントラバスによる情念の変容》(2021/世界初演)
独唱:松平敬 コントラバス:佐藤洋嗣 打楽器:谷口かんな ヴィブラフォン:會田瑞樹

《全出演者と会場のお客様との合奏による新作》(2022)

 

主催・お問い合わせ:
08060081297(會田瑞樹音楽事務所)
mizu.vibraphone@gmail.com

 


【インタビュー】

今回は會田瑞樹さん初の個展とのことで、會田さんの「作曲家」としての側面にスポットを当てて簡易インタビューを行いました。

1. 今回はヴィブラフォンを中心に、様々な編成の作品が演奏されます。ヴィブラフォンと他の楽器を合わせた曲を作るうえでの難しさや楽しさについてお伺いできますでしょうか。

ヴィブラフォンと他の楽器の相性はどれもなかなか良いと感じています。
ジャズの分野でも様々な楽器と共演していた実績があるだけに、チャレンジングな組み合わせも自在に行えるので、作曲上からみても、ヴィブラフォンは無限の可能性を秘めたとても楽しい楽器だと感じています。

2. 「作曲家」として人生のターニングポイントとなった作品があれば、その作品についてのエピソードを教えて下さい。

どの音楽にも強い影響を受けていますが、ブルックナー《交響曲第8番》を聞いた衝撃は今でも忘れられません。全宇宙のすべて、と言っても過言ではない荘厳さに突き動かされるような体験でした。
自分も作曲をしたい、こんな音楽を描いてみたい。そんな思いを抱いた中学2年生の体験が未だに自分を支えています。

3. 作品ごとに表現したいことは変わるとは思いますが、これまでの作品全体を通じて、表現者として伝えたいことについて教えて下さい。

やはり、楽器が麗しく鳴り響くことに僕は心から共鳴します。
様々な音色から浮かび上がる、言葉を超えた響きというものを追い求めたいというのが強く心の中にあります。音楽は言葉も、国境も越えていくと信じています。

4. ご自身の作曲に強く影響を受けた他の作曲家や編曲家の作品があれば、それについてどのような影響を受けたのか教えて下さい。(クラシックでなくても構いません)

八村義夫氏、末吉保雄先生、水野修孝先生に私淑しています。
先生方のスコアから学んだことは計り知れません。

5. 「作曲家」としての将来の目標、またはこれから新たに取り組みたいことについて教えてください。

現在協奏曲をガリガリ描いております。長いこと構想してきたもので、年内に初演予定です。
またガムランアンサンブルグループ「マルガサリ」のためのガムラン・オーケストラの作品がこの春と秋にお披露目予定です。すでに何度もガムラン楽器の勉強会に参加しており、進んでは下がって、の繰り返しです。しかしその試行錯誤こそ、心からの音楽の喜びでもあると感じております。
ゆくゆくはブルックナーのように、交響曲を紡ぎたいというのが、野望です。

會田さん、インタビューのご協力ありがとうございました!

 


【出演者プロフィール】

會田瑞樹
1988年宮城県仙台市生まれ。日本現代音楽協会主催”競楽Ⅸ”第二位入賞と同時にデビュー以降、これまでに300作品以上の新作初演を手がけ「初演魔」の異名をとる打楽器/ヴィブラフォン奏者。2019年第10回JFC作曲賞入選、2021年リトアニア聖クリストファー国際作曲コンクールLMIC特別賞を受賞するなど作曲家としても広範に活動。最新アルバム「いつか聞いたうた ヴィブラフォンで奏でる日本の叙情」は年間最優秀ディスクとなる第59回レコードアカデミー賞を獲得。そのほかサライ推薦はじめ各紙より絶賛を受けた。現代作品の魅力を多彩に紹介した成果により令和2年度大阪文化祭奨励賞、令和3年度宮城県芸術選奨新人賞受賞。かなっくホールレジデントアーティスト。
ホームページ

松平敬
東京芸術大学卒業、同大学院修了。湯浅譲二、西村朗など150作以上の新作を初演。サントリーホール・サマーフェスティバル、新国立劇場などに出演。ソロCDとしてこれまで、『MONO=POLI』(文化庁芸術祭優秀賞)ほか3枚のアルバムを発表。チューバの橋本晋哉氏とのユニット「低音デュオ」名義としても2枚のCDを発表。2019年には著書『シュトックハウゼンのすべて』を出版(第32回ミュージック・ペンクラブ音楽賞受賞)。

曽我部清典(そかべきよのり)
東京藝術大学音楽学部器楽科卒。現代音楽のスペシャリストとして、多くの新作初演を手がけている。ALMレーベルより4枚のソロCDをリリース。音楽芸術などで特選盤の評価を受けた。ヨーロッパ主要都市にてソロリサイタルを開催。全音楽譜よりアーバン金管教則本全3巻を編著。洗足学園音楽大学・茨城大学教育学部講師、日本トランペット協会常任理事。曽我部ミュージックパブリシング代表。野口体操同好会「のの会」主宰。

山水美樹(やまみず みき)
中島靖子、宮本幸子、大久保雅礼、野沢雅世の各氏に師事。
東京藝術大学音楽部邦楽科生田流箏曲専攻を経て同大学院修士課程卒業。在学中に稀音家浄観賞受賞、アカンサス音楽賞受賞。
修了審査演奏会にて東京藝術大学内有志オーケストラと《越天楽変奏曲》を共演。平成30年12月に銀座ヤマハホールにて初のリサイタルを開催。
三輪田学園中学校高等学校非常勤講師。大妻女子大学、頌栄女子学院中学校高等学校箏曲部講師。

西村薫
東京音楽大学卒業後に渡仏しオーベルヴィリエ・ラ・クールヌーヴ音楽院等で研鑽を積む。留学中はクラシック音楽の他、現代音楽や即興音楽も専門的に学ぶ。帰国後はオーケストラの客演や室内楽、現代音楽、即興ライヴ等で活動。現代音楽演奏コンクール「競楽XII」ファイナリスト。市川市文化振興財団第5回即興オーディション優秀賞。Tokyo Ensemnable Factoryメンバー。練馬区演奏家協会会員。

佐藤洋嗣(さとうようじ)
高校時代はエレクトリック・ベースを演奏し、卒業後コントラバスの魅力に触れ、転向。2006年東京音楽大学卒業。現在は室内楽、オーケストラ、アルゼンチン・タンゴなどを下から支えつつ、コントラバスの新しい可能性を探りながら演奏している。アンサンブル・ノマドのメンバー。バンドジャーナル誌に於いてワンポイントレッスンを連載。これまでに5回のリサイタルを開催。

谷口かんな
京都市出身。京都市立京都堀川音楽高等学校、京都市立芸術大学卒業。卒業後はフリーランスの音楽家として活動。他分野との共演・創作にも数多く携わる。またガムラン合奏団「マルガサリ」に参加し、インドネシア音楽や現代作品の演奏も行う。令和2年、3年度京都文化芸術都市創生審議会市民委員。師事歴は、マリンバと打楽器を、伊藤朱美子、小森邦彦、宅間斉、布谷史人、堀内吉昌、山本毅、ガムランをシスワディの各氏。

清水友美
武蔵野音楽大学ピアノ科卒業。現代音楽演奏コンクール競楽第3位等、多数入賞。’02年 Luc Ferrari氏の作品を演奏するピアニストとして1位選出されソロリサイタルデビュー。’09年TWS 「EXPERIMENTAL SOUND & ART FESTIVAL」にて演奏やダンス、語り、映像を組み合わせたパフォーマンスで奨励賞。複数の作曲家が清水に新作を書き、毎年ツアーを行う。ミュージカル、演劇やダンス公演の作曲依頼も多く、ダンサーやVo、女優としても出演を重ねている。

佐原詩音(Shion Sahara) 語り
1981 年大阪生まれ、金沢市育ち。関西学院大学社会学部社会福祉学科卒業後、災害復興制度研究所勤務を経て、東京藝術大学音楽学部作曲科に再進学。これまでに作曲を石原真、夏田昌和、安良岡章夫、福 士則夫、鈴木純明の各氏に師事。2018 年より佐原詩音作曲個 vol.1~4を開催。ピアノ・ソルフェージュ・作曲理論の音楽教室主宰。日本芸術専門学校ピアノ講師。理数系塾講師。コンサートプラン・クセジュ 代表。色彩豊かで力強い作品が多く、国内外で演奏されている。




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