【編集長コラム】投稿は手段、目的は集客!媒体に演奏会情報を投稿する場合の事前チェック項目10点+α

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こんにちは!

Wind Band Press編集長の梅本です。

この編集長コラムでは、最近気になることや、経験上何か役立ちそうなことなんかを、ちょこちょこと書いていきます。


Wind Band Pressでも演奏会情報のゲスト投稿をちょくちょく頂いていますが、投稿する方によって内容の親切さなどにかなり差があります。

演奏会情報を投稿するのはあくまでも手段。演奏会に人を沢山呼ぶのが目的で、その手段として広報があり、その中のひとつが媒体への演奏会情報の投稿です。投稿して満足、では今年もお客様が入らず「なんでかな」ってことになりかねません。

ゲスト投稿のページにもチェックポイントを書いていますが、あらためてWind Band Press以外の媒体も含めて「媒体に演奏会情報を投稿する場合の事前チェック項目」というのをまとめてみようと思います。

もちろんやり方は人それぞれなのでここに記載している以外の情報も投稿に盛り込んで良いと思いますが、投稿前の「ちゃんとこれ書いたかな」というチェックに使って頂ければと思います。

ではさっそく参りましょう。

1. 見出し、タイトル、キャッチコピーなど

媒体によっては記事タイトルやPR文言を書かないといけない(またはそれを推奨されている)場合があります。なかには過剰なアオリやキャッチコピーを最初に持ってくる方もいらっしゃいますが、演奏会広報の仕事で最も大事なのは「演奏会があることを知ってもらうこと」です。見出しや記事タイトルは極力シンプルにして、不要なアオリはなるべく避けます。タイトルは「楽団名」「演奏会名」「日時」「会場」があれば基本的にはOKです。楽団の認知が低い(知られていない)場合は演奏会や楽団のウリを一言簡潔に添えるだけで良いでしょう。どの一言を簡潔に(数文字で)盛り込むかは、お客様の層をしっかりと定めているかどうかで決まります。プレスリリースを送る際も同様です。

2. 日時

タイトルに日時を書いていても、読んでいる方が本文を読んでいる内に「いつどこで」というのを忘れてしまいますので、本文中にもしっかりと日時を記載します。日時については何年何月何日何曜日(祝日の場合は「祝日」と記載しておくと良いです)、開場時間、開演時間、終演予定時刻を記載します。終演予定時刻は、演奏会情報を投稿する際にはまだ詳細なタイムテーブルが出来ていないかもしれませんが、おおよそ何時間の公演か、というのは考えられていると思うので、おおよその終演予定時刻を記載しておくと親切です。土日祝であれば昼公演と夜公演で別の演奏会をハシゴされる方もいらっしゃいますし、夜公演の場合は演奏会が終わってから終電までの時間などを計算して「ついでに前から行きたかったあそこに寄ろう」などの予定も立てやすいので、お客様にとってとても有用な情報です。そして当日は終演予定時刻を厳守できるように演奏会を進行しましょう。

3. 会場

会場名しか書いていない投稿が多いですが、お客様がそのホール名を知らずに「どこにあるホールかな?」と迷ってしまう場合もあるので、会場名の横や下に県名市名および交通アクセスを記載しておくと良いでしょう。会場のホームページにはだいたい「交通アクセス」というページがありますので、そちらにリンクを貼るのも良いかと思います。駐車場や駐輪場がない、またはスペースが少ない場合はその旨も記載する必要があります。

4. 入場料の有無

入場料がある場合は入場料、入場無料の場合は入場無料と記載しますが、チケットに消費税が含まれる公演の場合は税抜・税込の表示をしましょう。できれば税込が良いです。また入場無料の公演であっても整理券が必要な場合は、会場に向かう時間を考えないといけないので、必ず記載するようにしましょう。また入場無料の公演の場合、ホールの座席数を超える場合の対応についても記載します。入場をお断りするのか、ロビーで聴いて頂くのか、というようなことですね。当然「たくさんのお客様に来て頂きたい」という目的で広報する場合は満員御礼がベストなので、超過した場合の対応を考えておくことです。

5. 未就学児童の入場可否

書いていない公演も多いですが、重要なことですのでなるべく書きましょう。未就学児童OKの公演であっても、実際に子供を連れて行く側はとても気を使います。演奏中に子供が飽きてしまう、動いてしまう、「だー」とか言う。なので結局途中で「他のお客様に迷惑をかけてはいけない」と退席するしかない場合もあります。ですので本当にOKなのかどうか、なにかあったときに対応出来るのか、よくよく考えましょう。例えば「未就学児童OK」だけど「演奏中の出入りはご遠慮下さい」というのは子連れのお客様にとっては難しいです。ですので結局行きたくても行けません。未就学児童の入場を可にするのであれば、開演前に「未就学児童の入場可の公演ですので泣き声や物音がします」と事前に他のお客様に案内する用意をしてください。託児サービスがあるホールであればその案内や予約方法、金額も記載しましょう。また母子室を用意できる場合は、その旨と、(おそらく数名しか入れないので)予約方法を記載しましょう。

6. チケットの入手方法

主催者から直接購入するだけしか手段がない場合はメールアドレスや購入フォームがあるウェブページにリンクするだけで良いですが、楽器店やぴあなど複数ある場合はそれぞれについて詳細を書きましょう。
「チケットぴあ」と書いてぴあのトップページにリンクしているだけの公演も散見されますが、コードと個別の購入ページへのリンクを記載しましょう(ローチケなども同じです)。楽器店の場合はその楽器店がどこにあるのか、住所や最寄り駅、電話番号などを記載するとより親切です。

7. 出演者名

指揮者、客演、そして楽団名ですね。プロフィールがあると尚良いです。どこの国の言葉かわからないようなアルファベット系の団体の場合は読み方も書いてあげないとクチコミで広まりにくいので記載しておきましょう。

8. 演奏予定曲目

まず日本人向けの公演であればなるべく日本語(漢字・ひらがな・カタカナ)で記載します。日本の作品で正式名称が英語である場合は英語で記載するべきですが、海外の楽曲についても原語でつらつら書かれているだけでは読めない人もいます。ここでも誰を聴衆の層として想定しているのかよく考えましょう。吹奏楽曲の場合は日本語訳がバラバラな場合も多いので日本語タイトルと原題の両方を記載するのがベターでしょう。そして「他」でまとめてしまう公演がほとんどですが、なるべく全曲記載するようにしましょう。何が誰の興味を惹くかわかりません。曲が決まっていない、というのであれば広報するタイミングを変えてみましょう。

9. 主催者名、後援、協賛団体名

必ず記載漏れのないようにしましょう。責任の所在を明らかにする意味と、せっかく後援・協賛していただいているのに企業や団体の名前を出さないのは失礼と取られる可能性もあります。

10. お問い合わせ先

楽団名、担当者名および電話番号またはメールアドレスを記載します。迷惑メール避けに@を全角にするとかいうこともあるかと思いますが、今はスマホからのアクセスがほとんどなので、タップすれば連絡できるように半角にしておくと良いでしょう。迷惑メールはどう対策しても来るもの、と思って専用のアドレスを用意しておくのが良いかもしれません。

以上は基本的な項目です。

例えばバンドジャーナルのような紙媒体だと上記の必須事項すら入れられないと思うので、そういった場合は「誰を客層として想定しているのか」という原点に立ち返ってその人達にとって親切な紹介になるように絶対に必要、という情報を厳選しましょう。

他に、媒体にもよりますが、あると良いなと思うのは、過去の演奏会の動画をYou Tubeにアップしているのであればその中から1曲くらいでいいのでリンクを貼ることと、PR文ですね。

PR文は本当か嘘かわからないような主観的なものが多くなりがちですが、「事実」と「主観」に分けて書くようにしましょう。「事実」の部分には実績などが入ります。「主観」の部分には演奏会のウリや想いを書きます。ここで必要以上に派手なアオリ(キャッチコピー)を書くと「うさん臭く」なります。物販サイトではないので何が演奏会のウリなのかがハッキリしていればそれで大丈夫です。

広報の目的は知ってもらうことなので、投稿した媒体で一気に集客まで持っていこうとしないことが大事です。

まずは知ってもらって、自分たちのウェブサイトにアクセスしてもらうとか、その辺りまでを目標としたほうが良いでしょう。そうなると、ウェブサイトに十分な情報がないとか、スマホ対応していないとか、そういう場合はなかなか集客出来ませんから、広報前にどのタッチポイントで誰にどんな情報を届けて、どんな行動を起こしてもらって、どんな導線で演奏会に来てもらえるまでにもっていくか、よくよく考えないといけない、ということになってきます。

営業の仕事で例えるなら、媒体への投稿はインサイドセールス的で、誘導する自分たちのウェブサイトはフィールドセールス的、とも言えるでしょう。役割が違うのです。

演奏会の情報を媒体に投稿するのはただの広報の手段の一つであって目的ではありません。目的から逆算して媒体ごとに最適な投稿を行えるように、考えるのに十分な時間の余裕をもって進めていきましょう。


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