ネクサス音楽出版よりネリベル作曲「サクソフォン四重奏曲集」が発売される。
詳細は以下の通り。
■ネリベル作曲「サクソフォン四重奏曲集」(V. Nelhybel / Saxophone Quartet Book)
▼メーカーより(テキストはネリベル研究で知られる村上泰裕氏によるもの)
<曲目解説>
1968年に初版された彼の『サクソフォン四重奏曲集』は全42曲からなる小品集。おおむね平易な曲から難しい曲、短い曲から長い曲に並んでいるが、配列は絶対ではない。選んで演奏する際に順序が前後してもいい。テーマやモチーフを各奏者が平等に分担しながら大理石を緻密に積んで建築物を作るように曲を構築するのがネリベルのスタイルであり、多くの場合、主旋律・対旋律・和音・ベースのような区分はない。古風な曲から新しい響きまで楽しめ、平易な語り口ながらネリベルの世界が凝縮されている。ベーラ・バルトークのピアノ小品集『ミクロコスモス』にも匹敵する、ネリベルの芸術の「小宇宙」といっても過言ではない。
楽譜にはアクセント、テヌート、スタッカート等の記号が多く、明快な発音が要求される(テヌートも深いアタックで)。ただし、過度に刺激的な表現を求めるのは好ましい姿勢ではない。親切記号が多い(多くはカッコつき)が、すぐ前の臨時記号の打ち消しだけでなく、直前や同時に他のパートに変化音が現れる場合や旋律進行に増・減音程が生じる場合に誤解を生じないための配慮が含まれている。
もともとの楽譜は4段のスコア形式で、各奏者がそれぞれスコアを見ながら演奏するものだった。このたびの出版ではパート譜を用意したが、スコアも曲中にめくりがないよう配慮してある。ネリベルの勧めを尊重し、各奏者がスコアを見ながら練習・演奏してみることをお勧めしたい。(村上泰裕)<ネリベル・プロフィール>
ヴァーツラフ・ネリベルは1919年9月24日、チェコスロヴァキアのポラーンカ・ナト・オドロウに生まれ、プラハ大学(現プラハ・カレル大学)、プラハ音楽学校、スイスのフリブール大学で学んだ。1939年からラジオ・プラハ、後にスイス国立放送で作曲家・指揮者として活躍した。ミュンヘンのラジオ・フリー・ヨーロッパで音楽ディレクターを務めた後、1957年にニューヨークに渡り、1962年にアメリカの市民権を獲得した。
ネリベルは1963年にアメリカで吹奏楽と出会い、作曲や客演指揮に専心する。その吹奏楽曲は個性的で、短い音列の反復による堅実な展開、古い旋法と大胆な不協和音の共存、管楽セクションの輝かしい響きや打楽器群に代表され、それらを総称し「ネリベル・サウンド」と呼ばれることもある。ペンシルヴェニア州スクラントン大学に在職中の1996年3月22日に76歳で死去した。(村上泰裕)
品番:NEO-064(楽譜セット)/NEO-064s(スコア単品)
定価:6,000円(楽譜セット)/1,500円(スコア単品)
発売日:2019年12月21日
メーカー:株式会社ネクサス音楽出版
協賛
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