CDレビュー:オーボエがいかに美しく力強い楽器かということを教えてくれる名盤!広田智之 (オーボエ)、大萩 康司(ギター)「ケルト・スピリッツ」

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WBP Plus!に登録した商品でレビューを書いたもののWind Band Pressで紹介していなかった商品がたまっていたので紹介していきます。

今回のレビューは株式会社オクタヴィア・レコードから発売された広田智之 (オーボエ)、大萩 康司(ギター)のCD「ケルト・スピリッツ」です。


オーボエって単に難しい楽器というだけではなく、特にアマチュア吹奏楽の場合は合奏で埋もれてしまったりして「音量なのか?音質なのか?それとも他の何か?」と存在感を出すために悩んでしまうこともあるかもしれません。
他の楽器でもそうですが、優れたCDを聴くことで「こういう風に演奏すれば存在感増すな!」と解決のヒントを得られることも多いです。(逆に聴かなければ気付かないまま)

レッスンに通うのも大事ですが、そのようなお金がない場合はCDをたくさん聴くことで耳が肥えていき、また理想の奏者に出会ったりして練習の効率もあがっていくのではないでしょうか。

今回ご紹介するのはオクタヴィア・レコードより多くのCDをリリースしているオーボエ奏者の広田智之氏の最新作。ギタリストの大萩康司さんと組んだ「ケルト・アルバム」です。

オーボエとギターでケルト、というだけで期待大、しかもこれまで素晴らしいアルバムを次々と発表している広田智之氏。聴く前から「これは名盤だろうなあ」なんて思っていたのですが、冒頭、本当に最初の一音が鳴った瞬間、予想を遥かに上回る美しさにビックリします。本当にビックリします。ここまで心を一瞬で掴まれるとは!

その後はただただこのデュオが放つ音楽の美しさに酔いしれるだけ。快適な旅を心ゆくまで優雅に一等車で楽しむことが出来ます。

ああだこうだ四の五の言わずに、ただ「ええな」とつぶやいておしまいです。語るのが野暮なほどに最高のアルバム。

ですがそれだと買う前の人には良さが伝わらないので少しだけ四の五の言いいます。まず広田さんのオーボエ。これまでのCD以上に伸びやかで、自由で、ケルト音楽を通じてオーボエがいかに美しく力強い楽器かということを教えてくれます。心が暖められ、今日の疲れを癒やしてくれて、明日への活力を生んでくれる音楽を聴くことが出来ます。「必聴」とか「一聴の価値あり」とかそういうレベルではなくて、「寒くなってきたから上着を羽織ろう」というくらい当たり前にそばに置いておきたいサウンドがパッケージされています。

大萩さんのギターは時に甘美で時にタイト、様々な音色を使い分けながらもメリハリをつけることで、大空を舞うオーボエに「風景」という色をつけていきます。ギターを操る音楽家であると同時に画家であり写真家であり映像家であるとも言えるような音楽・・・まさに「アーティスト」というのはこういう方のために存在する言葉なのだなあと思います。「わが宿は冷たい土の上」「ライ麦畑を通って」「Spatter the Dew」の3曲ではそんな大萩さんのギターだけを存分に楽しめます。これがまた絶品。このギターだけの曲を間に挟むことによって、アルバム全体の完成度もグッと高まっています。アルバムならではの楽しみですね。

寒くなってきた季節に発売される、ぬくもりにあふれたアルバム。ぜひ多くの方に聴いていただきたいと思います。

特にアマチュアの演奏家には様々な気づきを与えてくれるアルバムではないでしょうか。何より選曲もライトで聴きやすいので何度も聴いて勉強出来ます。十分に元が取れますね。

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レビュー:梅本周平(Wind Band Press)


商品詳細は以下の通り。

■原題または洋題 (Original or Foreign Title):Celtic Spirits

■演奏者 (Player):オーボエ:広田智之 (Tomoyuki Hirota)
ギター:大萩康司(Yasuji Ohagi)

■レーベル (Label):株式会社オクタヴィア・レコード (Octavia Records / CRYSTON)

■発売年 (Release year):2019

■PV

■レーベルコメント

多岐に活躍の場を広げ、精力的な活動を展開するオーボイスト広田智之と、ギタリスト大萩康司が意気投合。日本を代表する2人が何年もの構想を経て、ここに豪華デュオアルバムが実現しました。
「ケルト・スピリッツ」と題し、ケルト音楽に焦点を充てた当アルバム。
広田の卓越した技術と音楽性から生まれる伸びやかで艶のあるオーボエの音色に、大萩の繊細さと情熱を併せ持つ心地よいギターの音色が絡み溶け合い、極上な至福のひとときを聴き手に届けてくれます。

■収録曲 (Song List):

1. エセックス伯のガイヤルド:ジョン・ダウランド [1:30]
The Earl of Essex his Galliard:John Dowland

2. 涙のパヴァーヌ:ジョン・ダウランド [5:37]
Lachrimae Pavan:John Dowland

3. デンマーク王のガイヤルド:ジョン・ダウランド [4:07]
The King of Denmark’s Galliard:John Dowland

4. スカボロー・フェア:イギリス民謡(編曲:角田隆太) [3:23]
Scarborough Fair:British Air [arrange: Ryuta Tsunoda]

5. ロンドンデリーの歌:アイルランド民謡(編曲:角田隆太) [4:24]
Londonderry Air:Irish Air [arrange: Ryuta Tsunoda]

6. わが宿は冷たい土の上:アイルランド民謡(編曲:マウロ・ジュリアーニ) [2:56]
My Lodging is on the cold ground:Irish Air

7. 夏のなごりのバラ:アイルランド民謡(編曲:角田隆太) [3:16]
Last rose of summer:Irish Air [arrange: Ryuta Tsunoda]

8. ライ麦畑を通って:スコットランド民謡(編曲:マウロ・ジュリアーニ) [2:55]
Coming Through The Rye:Scotland Air

9. グリーン・スリーヴス:イングランド民謡(編曲:角田隆太) [3:45]
Greensleeves:English Air [arrange: Ryuta Tsunoda]

10. アニー・ローリー:アリシア・スコット(編曲:角田隆太) [2:40]
Annie Laurie:Alicia Scott [arrange: Ryuta Tsunoda]

11. 白い岩の海辺:アイルランド民謡(編曲:角田隆太) [4:38]
Bruach na Carraige Baine:Irish Air

12. Spatter the Dew -Irish Slip Jig-:アイルランド民謡(編曲:デイヴィッド・ラッセル) [3:25]
Spatter the Dew:Irish Air [arrange: David Russell]

13. ケルト・スピリッツ:加藤 昌則 [8:52]
Celtic Spirits for Oboe and Guitar:Masanori Kato

14. 悲しみの水辺:スコットランド民謡(編曲:角田隆太) [3:38]
The Water is Wide:Scotland Air [arrange: Ryuta Tsunoda]

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