CDレビュー:凄まじい気迫なのに肩の力は抜けている、こんなサウンドあるか?小田桐寛之(トロンボーン)「プロミス -PROMISE-」






 

株式会社オクタヴィア・レコード様から2019/4/17発売の小田桐寛之さん(トロンボーン)のCD「プロミス -PROMISE-」が届きましたので、簡単にレビューしてみようと思います。

小田桐寛之さんはこれまでに他のレーベルからソロCDもたくさん出していて、ファンの方も多いかと思います。僕は「日本人離れした技で日本人らしい叙情性をもって演奏される方」というイメージなんですけど。

このCDは聴きどころが多いというか聴きどころしかない、という感じですね。奥様の小田桐恵子さん (ピアノ)、そして海外で活躍されている息子さんの小田桐和寛さん (パーカッション)、そしてスタークの組曲では東京メトロポリタン・トロンボーン・クァルテットでも一緒に演奏している青木昂さんも迎えてのアルバムなのですが、とにかく熱気が凄いんですよ。

熱気というより「気迫」ですね。各奏者がドンドン攻めてくる。ソロアルバム的な扱いなんですがアンサンブルアルバムという捉え方の方が良いですね。とにかく小田桐ファミリー半端ねえなって感じで、小田桐恵子さんのピアノもメチャメチャ熱くて圧倒されるし、個人的にハマったのは小田桐和寛さんのパーカッションですね、これがまた迫力が凄いんですよ。録音も凄く良いんだろうなっていう気がしますが、ドラクエでいうなら「ガンガンいこうぜ」ですよね、全員がその状態。

なんですけど、気心の知れた仲、というのもあるんでしょうか、小田桐寛之さんのトロンボーンもかなりの圧を感じますけど、どこか肩の力が抜けたような、リラックスした感じも凄く伝わってくるんですよね。熱量、気迫、そういったものを真正面からくらいながらも、妙な緊張感みたいなものはなくて、純粋に楽しんでる感じだったり開放感だったり、そういうものも感じることができて、こんなサウンドは聴いたことがないな、っていうアルバムになっています。

このアルバムもすごいですね。一瞬たりとも気が抜けないというか、ボキャブラリーがプアーな僕にはこれ以上何も言い表せないんですけど、マジハンパないすよ(なんかバカみたいな感想だけど)。これも僕的2019年4月の特選盤だな。うん。今月は特選盤2枚です!

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レビュー:梅本周平(Wind Band Press)


商品詳細は以下の通り。

▼メーカーより

日本を代表するトロンボーン奏者、小田桐寛之によるCDがクリストン・レーベルより登場します。東京都交響楽団首席奏者を務める傍ら、編曲活動から後進の指導も手掛けるなど多岐に渡る活動を行っています。夫唱婦随で活動を送る、ピアニスト小田桐恵子に加え、アメリカで活躍するドラマー小田桐和寛を迎えた豪華セッション。当盤には、小田桐和寛と親交の深いアメリカの作曲家・ジャズピアニストとして注目されるB.スターク、馴染み深いヒットソング「上を向いて歩こう」から、著名な文豪宮沢賢治の作品、そしてタンゴの世界ピアソラまでジャンルを越えたあらゆる収録曲が並び、聴き手を存分に楽しませてくれます。クラシックのみならず音楽を愛するすべての人に聴いて欲しい豪華セッション、ぜひご注目下さい。

品番:OVCC-00152
定価:3,000円(税抜)
発売日:2019/4/17
メーカー:株式会社オクタヴィア・レコード

演奏:小田桐 寛之 (トロンボーン)
小田桐 恵子 (ピアノ)
小田桐 和寛 (パーカッション)
青木 昂 (トロンボーン)

収録内容:

1. プロミス:ブルース・スターク [3:16]
Promise : Bruce Stark

2. 上を向いて歩こう:中村八大(編曲:小田桐恵子) [3:27]
Sukiyaki : Hachidai Nakamura (arr. Keiko Odagiri)

トロンボーンと管弦楽のための交響曲:エルネスト・ブロッホ
Symphony for trombone solo and orchestra : Ernest Bloch
3. 1 Maestoso [2:54]
4. 2 Agitato [8:55]
5. 3 Allegro deciso [4:45]

6. ナイトクラブ 1960 (「タンゴの歴史」より):アストル・ピアソラ(編曲:宮本正太郎) [8:58]
Nightclub 1960 (from “Histoire du Tango”) : Astor Piazzolla (arr. Syotaro Miyamoto)

7. インテルメッツォ イ長調 (6つの小品 作品118より):ヨハネス・ブラームス(編曲:小田桐恵子) [6:29]
Intermezzo in A major ( from 6 Pieces Op.118) : Johannes Brahms (arr. Keiko Odagiri)

2本のトロンボーンとピアノのための「組曲」:ブルース・スターク
Suite for Two Tenor Trombones and Piano : Bruce Stark
8. 1 Overture [3:49]
9. 2 Adagio [5:55]
10. 3 Finale [3:32]

11. 星めぐりの歌:宮沢賢治(編曲:西下航平) [3:50]
The Song of the Circling Stars : Kenji Miyazawa (arr. Kohei Nishishita)

2018年12月17-18日 東京・第一生命ホールにて収録
Recording at Dai-ichi Seimei Hall, Tokyo, 17-18 Dec. 2018

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