1954年に『わが音楽語法』というタイトルで刊行された、フランス作曲家オリヴィエ・メシアンの音楽技法書が、このたび新訳版として刊行!
本書は、現代音楽の巨匠 オリヴィエ・メシアンが後世の音楽家に向け、自らの音楽技法を伝えるために著したもの。
メシアンの技法を知る手がかりとしてはもちろん、音楽への向き合い方や捉え方など広範にわたる含蓄のある内容は、現代の音楽家や音楽学習者にとっても何ものにも代えがたい体験をもたらしてくれる。
原書の“Technique de mon Langage Musical”は、1944年にフランスで出版され、日本版は1954年に刊行。
今回、新訳版の翻訳にあたっては、音楽上の新しい考え、音組織、表現形式、音素材等が時代とともに変化することを踏まえつつ、メシアンの考えをより忠実に伝えることを意図している。
日本語版刊行にあたり、平尾はるな氏、藤井一興氏、小鍛冶邦隆氏による「日本語版への序文」も掲載。
・数多くの音楽愛好家、研究者から復刊が望まれていた伝説の書!
・長らく日本版の出版ができなかったが、このたび出版が実現。
・現代に合わせた読みやすさと原著への忠実さを両立させた翻訳
仕様・内容は以下の通り。
音楽言語の技法
定価:7,000円(本体価格)+税
仕様:A4判縦/132ページ
発売日:2018年1月26日
ISBN:978-4-636-95138-7
商品コード:GTB01095138
[目次]
第1章 不可能性の魅力、およびさまざまな素材の相関性
第2章 インドのリズム、ラガヴァルダーナ
第3章 付加音価を付けたリズム
第4章 リズムの拡大または縮小とそのリズム形の一覧表
第5章 不可逆リズム
第6章 ポリ・リズムとリズム・ペダル
第7章 リズムの記譜法
第8章 旋律と旋律曲線
第9章 鳥たちの歌
第10章 旋律の展開
第11章 リート・フレーズ、2部フレーズ、3部フレーズ
第12章 フーガ、ソナタ、単旋聖歌の諸形式
第13章 和声、ドビュッシー、付加音符
第14章 特殊な和音、和音の房、和音の連結表
第15章 和声外音の拡大、アナクルーズとデジナンス
第16章 移高が限られた旋法
第17章 旋法の転旋と長調性との相関性
第18章 私の旋法と、旋法性音楽、無調性音楽、多調性音楽、4分音音楽との相関性
第19章 多旋法性
<著者略歴> オリヴィエ・メシアン(Olivier Messiaen)
1908年12月10日、翻訳家であった父ピエール・メシアンと、詩人の母セシル・ソヴァージュの長男としてフランスのアヴィニョンに生まれた。早くから音楽の才能を示し、11歳でパリ音楽院に入学を許され、マルセル・デュプレにオルガン、モーリス・エマニュエルに音楽史、ポール・デュカスに作曲を学び、輝かしい成績とともに5つのプルミエ・プリが授与される。1931年、パリの聖トリニテ教会の首席オルガニストに任命され、最期までその職務を果す。パリ・エコル・ノルマル音楽院、ついでスコラ・カントルムで教鞭をとり、捕虜収容所から解放された1941年、パリ音楽院の教授に迎えられ、1978年まで世界中から集まった若い作曲家たちの多くを育成。1967年フランス学士院会員となる。その数多くの作品は、とりわけ、リズム法の探求、移高が限られた旋法、和音の色彩、カトリック教徒としての信仰、そして60年に渡り世界の国々で採譜した春の鳥たちの歌声によって強く印象づけられている。1992年4月27日、パリで没す。
<訳者略歴> 細野 孝興(ほその・たかおき)
東京藝術大学名誉教授。東京藝術大学音楽学部中退、フランス政府給費留学。クラリネットをH.ドゥリュアール、指揮法をP.デルヴォに学ぶ。ミュジック・ドゥ・ラ・ギャルド招聘団員、パリ音楽院管弦楽団研修員。東京藝術大学音楽学部教授。フランスでの音楽活動、講演、コンクール審査多数。著述芸術勲章受勲(フランス政府)。訳書はJ. -Cl.ヴェイヤン『フランス・バロック音楽 解釈と演奏の原理』(ルデュック)、A.ドメル・ディエニー『演奏家のための和声分析と演奏解釈――バッハ』(シンフォニア)、P. -I.アルトー『現代フルート入門』(全音楽譜出版社)ほか多数。共訳書としてハイドン=P.バドゥラ-スコダ『クラヴィアのための4つのソナタ』(ルデュック)がある。ほか監修多数。
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