必見!會田瑞樹氏、佐原詩音氏の作品も初演されたリトアニア/聖クリストファー室内合奏団特別演奏会「杉原千畝に捧ぐ」のライブ映像がアーカイブ化

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會田瑞樹氏、佐原詩音氏の作品も初演された、2020年10月8日に行われたリトアニア/聖クリストファー室内合奏団特別演奏会「杉原千畝に捧ぐ」のライブ映像がアーカイブ化された。

會田氏からの情報を元に、ここに至るまでの経緯をまとめてみよう。

リトアニアのオーケストラ、聖クリストファー室内合奏団と會田瑞樹氏とのの出会いは2018年まで遡る。

會田氏は現在オーケストラ・アンサンブル金沢で首席コントラバス奏者を務めるダニエリス・ルビナス氏の紹介で権代敦彦氏の新作《Sawol for Vibraphone and Strings Orchesta》の初演の縁を得た。

初演は大成功のうちに幕を収め、その時に指揮を務めたモデスタス・バルカウスカス(Modestas Barkauskas:1985年生まれ)と會田氏はその後も折に触れて連絡を取り合う仲となった。

権代敦彦作曲《Sawol》

2019年12月、バルカウスカス氏から會田氏に「2020年、杉原千畝生誕120年を祝う演奏会を開催したい」とメールが入る。再びソリストとしてリトアニアに来て欲しいという内容だった。モデスタスは2018年の公演の後、創設者であり初代音楽監督であるドナトス・カクタスの後を引き継ぎ、楽団の2代目音楽監督に就任していた。

會田氏はすぐさま演奏曲の調整を行う。佐原詩音氏への杉原千畝をテーマとした新作、権代敦彦氏の再演を当初は計画していたという。そして2020年初頭を迎えた。會田氏はバルカウスカス氏、そしてオーケストラのマネージャーであるダリウスと幾度にも渡りメールをやり取りした。

會田氏は、一度延期にする方法はないだろうかと提案もした。しかし、彼らとしては杉原千畝メモリアルイヤーは今年しかない、絶対に今年開催するべきという立場をはっきりと示した。

會田氏は渡航の方向に踏み切ることもリトアニア大使館と相談を重ねた。現状、日本人の入国は不可能ではない、けれども、リトアニアへは直行便がないので乗り換えの必要性も出てくる。そして帰国後の処遇はどうするのか。すでに會田氏自身、日本での公演予定も多数控えていた。

そこで、映像共演はできないだろうかと會田氏から持ちかけた。困難な状況の中でも、演奏会を開催する不屈の精神は、杉原千畝の行動と重なるようにも思える。ただ、映像共演となると権代作品の上演は難しくなる、そしてそれは作曲家自身も気乗りしないという意見があった。

そこで、映像のための作曲をするしかないと會田氏自身が筆を取ることとなった。2020年8月、本来ならば祭囃子が聞こえるはずが今年に限ってはごく静かな八月に音符を刻んで行った。

會田氏は2020年9月28日に西早稲田トーキョーコンサーツラボにおいて収録を行い、即刻編集を行った。特に佐原詩音作品は作曲者自身が様々な写真や映像を使いたいという申し出があり、細やかなプロットをいただき、會田氏の手で映像編集を行い、リトアニアに送信した。

その後バルカウスカス氏よりいくつか修正の依頼があり、それをこなしこの公演に至った、というものである。

公演はリトアニア国営放送による収録を行い、生配信され、そしてこの度アーカイブ化となった。後日、リトアニア国営放送でも放送予定とのこと。

2020年10月8日 聖クリストファー室内合奏団特別演奏会「杉原千畝に捧ぐ」

曲目
14:45 會田瑞樹作曲《Chant/Sutartines》ヴィブラフォン独奏:會田瑞樹
28:10 A.マルテイナティス作曲《鳥の楽園》
38:20 ブルッフ作曲《コル・ニドライ》チェロ独奏:クリスティーナ・コッパー
50:55 O.ボゴット作曲《エルサレム・デ・リタ》
1:03:40 佐原詩音作曲《Chiune》ヴィブラフォン独奏:會田瑞樹
1:17:08 吉松隆作曲《鳥は静かに…》op.72
モデスタス・バルカウスカス指揮/聖クリストファー室内合奏団

<追記>

10月9日、リトアニアでの現地レビューが出ました。

「リトアニアの音楽家が、日本の外交官Chiune SUGIHARAに敬意を表して世界的なパンデミックに挑戦」

「コンサートは、指揮者M.Barkasukasと聖クリストファー室内合奏団に捧げられたM.Aitaの作品「Chant/Sutartines」の初演から始まりました。 聴衆は中世の音楽のモチーフ、日本の詩のリズム、そしてリトアニアのエコーの両方を聞くことができました。 ソリストはスクリーンからライブオーケストラに貢献しました。作品は美しいジェスチャーで終わりました。ビデオプロジェクションでは、作品を演奏したすべてのリトアニアのミュージシャンの名前と姓が誰かの手によって書道で書かれていました。 おそらく彼らに仕事を捧げたのはM.Aitaの手だったのでしょう。」

「ソリストはオーディオだけでなくビデオも送信しました。 これらの録音はGediminas Seduikis監督とビデオプロジェクションスペシャリストのVytenis Tarvydasによって詩的でノスタルジックなビデオクリップに構成されコンサート全体がステージで演奏される音楽に開かれました。これは素晴らしい前例になりました。なぜ画像使用はポップスのミュージシャンだけが視覚的な効果でパフォーマンスを豊かにするのでしょうか。 古典的な音楽コンサートでもその効果は示されました。リトアニアには素晴らしいビデオプロジェクションスペシャリストがいるのです。」




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