「嘘をついちゃいけません」
子供の頃に言われそうな言葉ですが
基本的に普段から正直でいるより
嘘をつく方が良いと思ってる人は
いませんよね。
大人になると場面によっては
そうでもないこともありますが、
それでもなんとなく嘘をつく
ということ自体に何か後ろめたい
いけないことなイメージって
あるのではないでしょうか。
有吉尚子です。こんにちは!
演奏する人に関係する嘘といえば
「自分は本当はもっと吹けるけど
今はたまたま間違えただけ」
「もっと練習さえできていたら」
「今日はリードが良くないから」
なんていうようなものが
多いのではないでしょうか。
ハタから見るとバカバカしい
言い訳でしかありませんね(笑)
もちろん飲み会の席で冗談で
こういう発言をすることは
普通によくあるでしょうし
そんなことは問題じゃありません。
問題なのはこの客観的に見たら
バカバカしい言い訳を
自分が本気で信じてしまうこと。
たまたま間違えるってことは
何かしら意図が抜けていたり
テクニックや自分の身体や
奏法や練習に関する情報が
不足しているという証拠。
もっと練習できたらと思っても
そのための時間を確保せず
他のことを優先する選択をした
ということはもっと練習するなんて
そもそも不可能だったということ。
この場合足りないのは時間ではなく
限られた時間内で上達するために
練習を効率化するための情報。
今日のリードが良くないのは
どんな天候や状況でも
使える良い状態のリードがあるよう
リードのバリエーションをたくさん
用意しなかったということ。
自分を誤魔化すために
本当は事実ではないことを
あたかも事実のように思っていては
改善のしようがありません。
あなたにたまたまリードが
ダメな日があるのが当たり前なら
いつも良い音で演奏する人は
たまたまいつも良いリードを
持ってるということになります。
そんなバカな話はありませんよね。
日々たくさんの新しい箱を開けて
丁寧に仕込んで色んなリードを
ケースの中に常備しているからこそ
いつも良いリードを持っている
という状況が作れているのです。
大人になったら他人につく嘘なんて
はっきり言ってどうでも良いもの。
それより自分に対して
嘘をついて誤魔化していることに
気づかないことの方が困ります。
立ち止まって振り返ってみる日が
あっても良いかもしれませんね。
クラリネット奏者/音楽講師
有吉尚子
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※この記事の著作権は有吉尚子氏に帰属します。
有吉尚子氏プロフィール
栃木県日光市出身。
都立井草高等学校卒業。2007年洗足学園音楽大学卒業。2009年同大学院修了。
クラリネットを大浦綾子、高橋知己、千葉直師の各氏に、室内楽を平澤匡朗、板倉康明、岡田伸夫の各氏に師事。
ミシェル・アリニョン、ポール・メイエ、アレッサンドロ・カルボナーレ、ピーター・シュミードルの各氏の公開レッスンを、バスクラリネットにてサウロ・ベルティ氏の公開レッスンを受講。
受講料全額助成を受けロシア国立モスクワ音楽院マスタークラスを修了。
及川音楽事務所第21回新人オーディション合格。
2010年より親子で聴ける解説付きのコンサ-ト「CLARINET CLASSICS」~クラシック音楽の聴き方~をシリーズで行う。
2015年、東京にてソロ・リサイタルを開催。
オーケストラやアンサンブルまたソロで演奏活動を行っている。
また、音楽講師のためのソルフェージュや音楽理論、演奏するときの効率的な身体の使い方などレッスンや執筆、コンクール審査などの活動も行っている。
ボディチャンス認定ボディシンキング(身体の構造と機能指導資格)コーチ。
アレクサンダー・テクニーク教師。
有吉さんのコラム【耳を良くする管楽器レッスン法】これまでの記事はこちらから
有吉さんへのインタビュー記事も合わせてご一読を!→【今すぐ出来る実験付き】「誰でも持っている本来の力を誰でも使えるようにする」~アレクサンダー・テクニークってどうなの?講師の有吉尚子さんにお話を伺いました
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