「ミッドウェスト・クリニックって何?」ミッドウェスト・クリニック委員会のリチャード・クレイン氏にインタビューしてみました




毎年冬にシカゴで行われる世界の吹奏楽の最も重要なイベントのひとつ、「ミッドウェスト・クリニック」。

今年は日本から広島ウインドオーケストラが招聘されています。

日本からも、勉強熱心な方などは毎年シカゴに行かれているかと思いますが、そうでない人にとっては「ミッド・・・ウェスト・・・?」・・・ね。

バンクリすら行かない人にとっては自分には関係ない世界だと思っておられるかもしれません。ですが!実は!しかし!世界の吹奏楽に影響を及ぼすこのイベント、当然日本にも影響はあります。気づいているかどうかは別として・・・。

そこで、あまり海外事情に詳しくない、または広島ウインドオーケストラがこれに呼ばれることがどれくらい名誉なことかイマイチわからない、そもそもミッドウェストクリニックって何なの~~!!という方に向けて、ミッドウェスト・クリニック委員会に対しインタビューをお願いしました。内容は主に「ミッドウェスト・クリニックって何?」という部分と、今回彼らが招聘を決めた「広島ウインドオーケストラ」についてです。

すると!委員会のPresidentのリチャード・クレイン氏(Richard Crain)が直接インタビューに答えてくれました!

貴重なインタビューになっていると思うので、老いも若きも知るも知らぬも皆様ぜひともご一読、いやご二読ご三読下さい。

*元の英語のやりとりも併記しますので英語の方が読みやすい方はそちらでお楽しみ下さい。

 


 

1. まず初めに、ミッドウェスト・クリニックの概要について教えて下さい。例えば、どのような組織で、何を目的としていますか?また、ミッドウェスト・クリニックとはどのようなイベントですか?

ミッドウェスト・クリニックは、世界最大の楽器音楽教育カンファレンスです。ミッドウエスト・クリニックは、広範でプロフェッショナルな成長の機会、感動的な経験、有益なプロフェショナルの関係を養うことを通じて、国際的な楽器音楽教育を強化します。

長年にわたり、ミッドウェスト・クリニックの焦点は、最高の出版された作品だけでなく、新しく確立された教育技術や音楽教育者のための最新の製品とサービスを伴って、国際的な音楽指導者を引き付けることにありました。

リハーサル・ラボは、公開リハーサルでさまざまなタイプのアンサンブルを指揮する著名な指揮者を観覧する機会を観覧者に提供します。

受講者は、リハーサル・テクニシャンが複数のスタイルの音楽を用意するのを観察することにより、有意義な学習体験を得ることができます。

これらのセッションの重要な目標は、聴講者が自分のアンサンブルで、自分のホームで使用できる洞察力と実践的な教育スキルを身につけることです。

 

2. 毎年世界中から演奏家、指揮者、作曲家、ディレクター、クリニシャンなど多くの音楽家が集まるかと思います。毎年何人くらいの参加者がいるのでしょうか?

出席者、参加者、出展者を含め、年間約1万8000人がミッドウェスト・クリニックに参加しています。

 

3. ミッドウェスト・クリニックは世界中の吹奏楽関係者にどのような影響を与えていると思いますか?

毎年ほぼすべての大陸の人がミッドウェスト・クリニックに参加しています。

彼らは学ぶために、彼らの専門知識を分かち合うために訪れ、すべての人に利益(ベネフィット)があります。

毎年、私たちは毎年開催されるイベントのあらゆる側面を進化させ、あらゆる出席者により多くの機会を提供するという課題に直面しています。 参加者の時間と労力の投資を保証するために、プロフェッショナルな価値(VALUE)の豊かな収穫が得られるプロデュースを行います。

私たちの献身的なスタッフは、一年中、細部にまでこだわって、「今年は最高の年」であることを確実にするために、疲れ知らずに働いています。

間違いなく、ミッドウェスト・クリニックは各々の最も肯定的な期待をはるかに超えて成功しています。

 

4. これまでに日本からもいくつかのバンドが参加しています。今年は広島ウインドオーケストラをご招待いただきましたね。広島ウインドオーケストラを招待した理由と、あなたが感じる彼らの魅力を教えて頂けますか?

ミッドウェスト・クリニックは、長年にわたり日本からの楽団と非常に積極的かつ有益な関係を築いてきました。

ミッドウェストの観客は、日本のバンドのパフォーマンスがすべての分野で優れていることを知っているので、日本から来たバンドを聴くのを楽しみにしています。

広島ウインドオーケストラは、委員会が検討するために必要な彼らの過去の演奏の録音を提出しました。

案の定、録音は絶品で、招待状はこの模範的なウインド・オーケストラの指揮者に大きな熱意を持って差し出されました。

日本からのもう一つのウィンド・オーケストラは、すでに2018年のミッドウェスト・クリニックで演奏することを承認されています!

村上家(注:ブレーン株式会社の村上社長およびご家族の方々)は、ミッドウェスト・クリニックと日本の優れたバンドとの素晴らしい関係を維持する一助となっています。

 

5. 広島ウインドオーケストラのパフォーマンスに何を期待しますか?

日本からのバンドの典型的な演奏があらゆる面で素晴らしいと期待しています!

我々は彼らによって楽しませてもらえること、啓発されること、そして触発されることを楽しみにしています!

ミッドウェストの委員会とスタッフは、日本のバンドが演奏するたびに、聴衆だけで立ち見が出ることを期待しています。

 

6. ミッドウェスト・クリニックは1946年に始まり、2017年現在ですでに約70年の歴史を持っています。今後の展望について教えてください。

委員会は、すでにミッドウェスト・クリニックの未来について計画しています。2021年にはミッドウェスト・クリニックの75周年を祝う予定です!

私たちは、この素晴らしいカンファレンスがあらゆる変化する教育の世界のニーズを確実に満たすように、カリキュラムとプレゼンテーションの内容を常に見直しています。

ミッドウェストでは、小学校から大学までの教師のニーズを確実に把握するために、世界中の音楽教育の出席者や指導者から、プロフェッショナルのレベルでのインプットを求めています。

 

7. 日本の吹奏楽ファンにメッセージをお願いします。

ミッドウェスト・クリニックでは、日本からの音楽アンサンブルをホストする機会を常に歓迎しています!

日本のバンド指導者/指揮者は、これらの若者が最大限の可能性を発揮するために、各演奏者が基礎を教わるための模範的な教授戦略を開発した師匠です。

日本の指導者は生徒に素晴らしいライフスキルを教えています。そして、美しい音楽を一緒に作る楽しみを体験するために、人生の歩みの中で学ぶ機会を提供する素晴らしい大人のアンサンブルがたくさんあります!

私たちのアドバイスは・・・あなたのが行っていることを模範的なものにし続けましょう!

我々の音楽をお互いに共有するのはなんと適切なことでしょうか・・・国際的な言語です!

ミッドウェスト・クリニックは、皆様の継続的な成功と、多くの報いを得られることを願っています!

 


インタビュー・文:梅本周平(Wind Band Press)


まとめ:

いかがでしたでしょうか?

ミッドウェスト・クリニックがいかに大きく、意義のある、影響力のある重要なイベントなのか、少しでも伝われば幸いです。

そしてミッドウェスト・クリニック委員会およびスタッフが期待する中、今年は広島ウインドオーケストラが日本から招待され、演奏を行います。

招待とは言っても経費をすべて負担していただけるわけではなく、渡航滞在費など様々な費用が発生します。

広島ウインドオーケストラは大きな組織ではないので、現在、クラウドファンディングに挑戦中です。

オールオアナッシング形式と呼ばれるもので、目標額に達しなければ彼らは一銭も受け取ることが出来ません。

日本のバンドが世界に与える影響もあると思いますが、彼らが得て、日本に持ち帰るものも多いかと思います。

Wind Band Pressは広島ウインドオーケストラのクラウドファンディングを応援しています。

よろしければこちらのクラウドファンディングのページもご覧いただき、ご支援いただければ幸いです。

 

 

 


Wind Band Press interview

 

1. First of all, would you tell me about the summary of Midwest Clinic. For example, what kind of organization and what are you aiming for? What kind of event is Midwest Clinic?

The answer:
The Midwest Clinic is the largest instrumental music education conference in the world. The Midwest Clinic strengthens international instrumental music education through extensive professional development opportunities, inspirational experiences and cultivation of rewarding professional relationships. Over the years, the focus of The Midwest Clinic has remained on bringing international music directors into contact with not only the best published music, but also with new and established teaching techniques, and the latest products and services for the music educator.
Rehearsal labs provide observers an opportunity to watch and listen to well-known conductors working with various types of ensembles in an open rehearsal setting. Attendees engage in a meaningful learning experience by observing rehearsal technicians prepare multiple styles of music. An important goal of these sessions is for audience members to gain insight and develop practical pedagogical skills they can use at home with their own ensembles.

2. I think that many musicians gather from the world every year; musicians, conductors, composers, directors, clinicians and others. How many participants are there every year?

The answer:
Including all attendees, participants and exhibitors, approximately 18,000 individuals are in attendance at The Midwest Clinic each year.

3. What do you think the Midwest Clinic has what kind of influence on wind bands related person around the world?

The answer:
Every year individuals from almost every continent attend the Midwest Clinic. They come to learn and to share their expertise so we all benefit. Each year we are faced with the challenge of advancing all aspects of the annual event to offer more opportunities to every attendee; to guarantee the investment by attendees of time-effort-and-energy produces a bountiful harvest of professional VALUE. Our dedicated staff works tirelessly year ‘round focusing on every detail to make certain this year is THE BEST YEAR EVER. Admittedly, Midwest Clinic has succeeded far beyond anyone’s most positive expectations.

4. Several bands from Japan have joined the Midwest Clinic so far. You invited the Hiroshima Wind Orchestra this year. Would you tell me the reason why you invited the Hiroshima Wind Orchestra and the charm of them you feel?

The answer:
The Midwest Clinic has had a very positive and rewarding relationship with instrumental groups from Japan for many years. The audiences at Midwest look forward to hearing the bands from Japan because they know the performances will be outstanding in every category. The Hiroshima Wind Orchestra submitted a recording of a past performance for the Board of Directors to consider. As usual, the recording was superb and the invitation was extended with great enthusiasm to the conductors of this exemplary wind orchestra. Another wind orchestra from Japan has already been accepted to perform at the 2018 Midwest Clinic! The Murakami family has been instrumental is maintaining the wonderful relationship between Midwest and the outstanding bands in Japan.

5. What do you expect from the performance of the Hiroshima Wind Orchestra?

The answer:
We expect a typical performance by a band from Japan….to be terrific in every way! We look forward to be entertained, enlightened and inspired! The Midwest Board and staff always expect a standing room only audience whenever a Japanese band performs!

6. Midwest Clinic began in 1946 and already has about 70 years history as of 2017. Would you tell me about the future prospects?

The answer:
The Board of Directors is already planning for the future of The Midwest Clinic. Plans are even being made to celebrate the 75th Anniversary of Midwest in 2021! We are constantly reviewing the content of of the curriculum and presentations to ensure that this great conference is meeting the needs of an every changing education world. Midwest constantly seeks input from attendees and leaders in music education throughout the world to make certain the needs of teachers from elementary school to the university, and even professional levels are being met.

7. Please give a message to Japanese wind band fans.

The answer:
The Midwest Clinic always welcomes the opportunity to host a musical ensemble from Japan! The band directors/conductors in Japan are master teachers who have developed exemplary teaching strategies to make certain each performer is taught fundamentals in order for these young people to reach their fullest potential. Japanese directors are teaching a wonderful life skill to their students and there are many wonderful adult ensembles that offer the opportunity for Japanese in every walk of life to experience the joy of making beautiful music together! Our advice…keep doing what you are doing for your work is exemplary!! How appropriate it is to share our music with each other…the international language!! We at Midwest wish you continued success and many rewards!




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