「常にオリジナルの作品をリスペクトしてください」 オランダの出版社、バトン・ミュージック(Baton Music)インタビュー






a210b95d8803b4536d0ee380a36a772e

Wind Band Pressでも毎月の新譜情報をご案内しているオランダの出版社、バトン・ミュージック(Baton Music)。

▼バトン・ミュージックの詳細についてはこちらの記事をご参照ください
Wind Band Press読者(訪問者)限定の超オトクな優待特典(CD&楽譜)あり!オランダのバトン・ミュージック(Baton Music)のご紹介

早い時期からWind Band Pressにご協力いただいていますが、今回は会社としてインタビューに応じていただきました。

また、原文の英語も日本語版の後に併記しますので、英語で直接読みたい方はそちらでお楽しみ頂けます。

※誤訳等ございましたらこちらのフォームからお知らせいただければ幸いです。


1. バトン・ミュージック設立の理由を教えてください。

1996年、私たちは、オランダにトランスクリプション専門の出版社がないということを知りました。

クラシック音楽のトランスクリプションは、吹奏楽団、吹奏楽団の団員、もちろん聴衆の発展に多くの方法で貢献することができます。

すでにヨス・ファンデブラーク(Jos van de Braak)のトランスクリプションのいくつかを演奏していた世界最高の吹奏楽団の専門知識を駆使して、優れたトランスクリプションだけを扱う会社を設立することが良いと考えました。

さらに20年以上経った今、私たちは800以上のタイトルのトランスクリプションを持つ吹奏楽団のためのリーディングカンパニーとなりました。

それ以外にも、シンフォニック・バンドやウィンド・アンサンブルの伴奏を伴ったボーカル音楽のカタログを持つ他の会社はありません。

私たちのスローガンは、「バトン・ミュージック、シンフォニック・バンドのための優れたトランスクリプション」です。

2. バトン・ミュージックが考える「良いアレンジ」とはどのようなものでしょうか?

良いアレンジ作品は、すぐに(初見で)オリジナルのスコアを指揮者に見えるようにします。

そこにはオリジナルの作品に対する多くの敬意があります。

3. 日本の編曲家の作品をバトン・ミュージックのカタログに加える予定はありますか?

もちろんです。

我々は世界中の編曲家から出版のオファーを受けています。

これらの編曲家は我々のアレンジの方針を理解しています。

ですから、日本のアレンジャーが興味深い作品を持ちこんで来た時、私たちは常にそれを見る準備ができています。

しかし、それが私たちの観点に合致している場合にのみ、出版を考えることができます。

4. 吹奏楽にアレンジされた作品を演奏するにあたって、指揮者や奏者が最も注意すべき点は何だと考えますか?

色彩、音と形式の解釈に多くの注意を払うこと。

そのため、時々アレンジメントを完全な(大きな)オーケストラのためではなくする必要があることがあります。

しかし、スコアが拡張される時には、もちろん、フル・シンフォニック・バンドは熱意と情熱をもって演奏しなければなりません。

我々から指揮者と音楽家へのアドバイスは、常にオリジナルの作品をリスペクトしてください、ということになります。

それは多くの満足を与えるでしょう。

5. バトン・ミュージックの将来の展望について教えてください。

私たちはあらゆるジャンルのクラシック作品のトランスクリプションを出版していくつもりです。

時にはよく知られている作品だけでなく、より希少な作品になるでしょう。

いまだにトランスクリプションが可能な多くのタイトルがあります。

もちろん、声楽(オペラ/オペレッタ)のレパートリーにも同じようにフォーカスを続けるつもりです。

ご意見やアイディアがあれば、私たちに知らせてください。

6. 日本の吹奏楽ファンにメッセージをお願いします。

皆さんが私たちのアレンジを気に入り、聴衆のために楽しく演奏することができれば幸いです。

私たちは日本人が非常に正確であることに気付いています。

これは私たちのカタログに完全にフィットします:つまり「質の高いスタイルの質の高い音楽」です。

日本の指揮者と音楽家が私たちのカタログを閲覧するために定期的にウェブサイトを訪れることを願っています。

何かご不明な点があれば教えてください。

そして、4月と5月に日本からご注文いただいたすべての出版物について、無料でCDをお付けします。 (ご注文の際にプロモーションコード「JAP2017」を追加してください)

ありがとう、さようなら。


インタビュー・翻訳:梅本周平(Wind Band Press)


1. Please tell me the reason for establishing Baton Music.

In 1996 we experienced that there was not a publishers specialized in transcriptions. Transcriptions of classical music can contribute in many ways to the development of wind bands, wind band players and of course the audience.
With our expertise with some of the world’s best Symphonic Wind Orchestra – which did already play some of Jos van de Braak’s transcriptions – we thought it would be good to establish a company that does only good transcriptions. And now after more then 20 years we are the leading company in transcriptions for Symphonic Bands with over 800 titles. Besides that there is not any other company with such an extended catalogue of vocal music with accompaniment of a Symphonic Band or wind Ensemble.

Our slogan is ‘Baton Music, the fines transcriptions for Symphonic Band’.

2. What arrangement/translation is “a good arrangement/translation” you think?

A good arrangement shows immediately (at first sight) the original score to the conductor. There is much respect for the original composition.

3. Are there plans to add Japanese arranger/translater’s works to the catalog of Baton Music?

Why not? We get publications offered from all over the world. These arrangers recognize our policy of arranging. So when a Japanese arranger comes with interesting work we are always prepared to have a look at it. But only when it fits with our point of view concerning arrangements we can consider a publication.

4. In playing works arranged or translated for wind band, do you think what is the most remarkable point for conductors and players?

To pay much attention at coloring, sound and stylish interpretation. Therefor it’s sometimes necessary to make the arrangement not for a complete (large) orchestra. But when the score is extended, of course a full symphonic band has to play; with enthusiasm and passion. Our advise to conductors and musicians should be, please always respect the original composition. That will give much satisfaction.

5. Please tell me about the future prospects of Baton Music.

We will go on with publishing classical transcriptions of all kind of genres. Sometimes well known but also the more rare works. There are still so much titles that can be transcribed. Of course we will continue our focus on the vocal (opera / operetta) repertoire as well. And when someone has some thoughts or ideas, please let us know.

6. Please give a message to Japanese wind band fans.

We hope you like our arrangements and you have fun to play them for your audiences. We have noticed that Japanese people are very accurate. This fits perfectly with our catalogue: ‘Quality music in a quality style’. We hope the Japanese conductors and musicians will visit our website on regular base to browse our catalogue. Please let us know if anything is not clear. And, for all Japanese orders of one of our publications in April and May we will add a CD for free. (Add the promo code JAP2017)

ありがとう、さようなら。

 




協賛






Wind Band Pressへの広告ご出稿はこちら


その他Wind Band Pressと同じくONSAが運営する各事業もチェックお願いします!

■楽譜出版:Golden Hearts Publications(Amazon Payも使えます)


■オンラインセレクトショップ:WBP Plus!






■【3社または3名限定】各種ビジネスのお悩み相談もお受けしています!

様々な経験をもとに、オンラインショップの売上を上げる方法や商品企画、各種広報に関するご相談、新規事業立ち上げなどのご相談を承ります。お気軽にお問い合わせください。



▼人気の記事・連載記事

■プロの指揮者・岡田友弘氏から悩める学生指揮者へ送る「スーパー学指揮への道」
プロの指揮者・岡田友弘氏から悩める学生指揮者へ送る「スーパー学指揮への道」

■作曲家・指揮者:正門研一氏が語るスコアの活用と向き合い方
作曲家・指揮者:正門研一氏が語るスコアの活用と向き合い方

■有吉尚子の【耳を良くする管楽器レッスン法】~ソルフェージュ×アレクサンダー・テクニーク~
有吉尚子の【耳を良くする管楽器レッスン法】~ソルフェージュ×アレクサンダー・テクニーク~

■【エッセイ】ユーフォニアム奏者・今村耀の『音楽とお茶の愉しみ』
今村耀エッセイ

■僧侶兼打楽器奏者 福原泰明の音楽説法
福原泰明の音楽説法

■石原勇太郎の【演奏の引き立て役「曲目解説」の上手な書き方】
曲目解説の上手な書き方

■石原勇太郎エッセイ「Aus einem Winkel der Musikwissenschaft」
石原勇太郎エッセイ

■音楽著作権について学ぼう~特に吹奏楽部/団に関係が深いと思われる点についてJASRACさんに聞いてみました
音楽著作権について学ぼう

■【許諾が必要な場合も】演奏会の動画配信やアップロードに必要な著作権の手続きなどについてJASRACに確認してみました
動画配信


3件のコメント

  1. […] 「常にオリジナルの作品をリスペクトしてください」 オランダの出版社、バトン・ミュージック(Baton Music)インタビュー […]

  2. […] 「常にオリジナルの作品をリスペクトしてください」 オランダの出版社、バトン・ミュージック(Baton Music)インタビュー […]

  3. […] 「常にオリジナルの作品をリスペクトしてください」 オランダの出版社、バトン・ミュージック(Baton Music)インタビュー […]

コメントは受け付けていません。