室内オーケストラ「シンフォニエッタ 静岡」が被害を受けた裾野市民文化センタースプリンクラー誤作動事故についての現時点でのまとめおよび支援方法、次回演奏会のお知らせ(2022/10/16時点)

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すでに静岡新聞、静岡放送(SBS)、東京新聞、毎日新聞、朝日新聞で報道がされていますが、Wind Band Pressにも協賛していただいている、静岡を拠点とする室内オーケストラ「シンフォニエッタ 静岡」が裾野市民文化センターのスプリンクラー誤作動事故によって大きな被害を受けています。

ただし報道ではあまり多く文字数を割くことは少なく、主にホールおよびホールの附帯設備の被害(スタインウェイのピアノなど)に主眼が置かれることが多いため、本記事では、2022/10/16時点での「シンフォニエッタ 静岡」の状況などをまとめました。

■事故の概要

日時 2022年9月24日(土)13:00
場所 裾野市民文化センター大ホール
スプリンクラーの水が撒かれた場所 大ホールの舞台面(反響板の内側、裏側)

当日開催される予定であった公演について:
2022年9月24日(土)13:00、ホール主催公演「オーケストラを聴こう!」の開場時刻に、スプリンクラーが誤作動。目の前が白く見えなくなるほどの水量で、猛烈な雨(時間雨量100
mllを超える)ような状態が少なくとも数分間続き、舞台上は水浸しとなった。舞台上にいた演奏者は楽器をかばい、全身がずぶ濡れになりながら避難し、ステージマネージャーは舞台上にあったハープやコントラバスといった個人所有の大型楽器の救出にあたった。舞台から楽屋に避難した演奏者の「皆さん楽器!楽器が大変!」との叫び声に、楽屋やその周辺にいた演奏者50名程が舞台上や舞台裏に殺到し、ずぶ濡れになりながら自分のまた仲間の楽器の救出にあたった。大量の水で濡れた演奏者や楽器が避難してきたことにより楽屋周辺も水浸しになった。舞台上や楽屋付近の大量の水から楽器を守るために転倒した者が複数いた。

公演名:オーケストラを聴こう
日時:2022年9月24日(土)13:00開場 14:00開演 (16:00終演予定)
公演内容:ブラームス:交響曲第2番、コリリアーノ:プロムナード序曲、ジョン・ウィ
リアムズ:映画音楽集 ほか
出演者:シンフォニエッタ静岡60名(指揮者1,演奏者56,ステージマネージャー3)
主催:裾野市民文化センター、公益社団法人日本公立文化施設協会

なお、スプリンクラーの水は水道水だと聞いているが、ホール上部の吊りもの、スクリーン、照明、反響版の上などにある、砂、小石、ほこり、糸くずなどの汚れを一緒に落としているため、上から降ってきた水は非常に汚かった、とのこと。

以下、写真提供:シンフォニエッタ 静岡


天板、照明の隙間から落ちる水


汚れた水をかぶった楽譜


水浸しになった楽譜


水浸しのティンパニ


シンバルも水に打たれた


水がたまったマレットスタンド


舞台上に溜まった水(茶色い)


舞台上に溜まった水

■オーケストラと来場者の被害

・オーケストラの被害(1) 心身に関して

大量の水から楽器を守るためにシンフォニエッタ静岡の演奏者やステージマネージヤーが数名(10月11日現在把握しているのは5名)が転倒した。

重傷者 1名 肩の骨折により全治4週間 仕事の再開までには数か月かかる見込み。

軽傷者 4名 (うち1名は頭部を強打したことから事故当日に救急搬送された。現在経過観察中)

心的外傷 多数
事故の衝撃により、心的外傷を負っている者がいる。シヤワーを浴びるのが怖い、雨が降ると事故を思い出す、楽器ケースを開ける度に事故を思い出す、など。

・オーケストラの被害(2) 楽器等

個人所有の楽器も多く、現時点では楽器の被害の全貌、被害額についてはまとまっていない。

オーケストラの打楽器は、舞台上に全て置いてあり、水が落ちてこなくなるまで30分以上水にあたり続けたことから、ほぼすべての楽器類が全損した。

10月28日(金)の定期公演で使用する打楽器やスタンド等も被害を受けたため、購入できるものは購入し、ティンパニ等の大型楽器については楽器店から借用して公演を開催する。

楽譜:当日演奏予定であったレンタル楽譜1作品(アメリカの出版社の所有)、楽団所有の楽譜が水没。再利用は不可能。

■裾野市民文化センターの設置者である裾野市の対応と動き

現時点で裾野市からシンフォニエッタ静岡への接触はほとんどないとのこと。
被害状況の調査、謝罪、今後の対応といったことについては連絡がなく、シンフォニエッタ静岡は裾野市に対し、誠意ある対応を求めている。

■現時点での楽団への支援について

現時点では「サポート会員(ご寄付)」という方法のみで支援を受け付けています。

▼サポート会員についてはこちらから
http://www1.odn.ne.jp/ssj/support.html

その他、普段のシンフォニエッタ静岡の様子はYouTubeで見ることが出来ますので、ぜひご覧ください。
→こちらからどうぞ

なお、2022年10月28日の定期公演は、代替の楽器を使用するなどして、実施する。シンフォニエッタ静岡の活動は今後も継続する。

次回公演の詳細は以下の通り。多くの方のご来場も楽団への支援になります。お誘い合わせのうえ、ぜひご来場ください。

第72回定期公演  ケルトの魂

日時:2022年10月28日(金) 18:30開場 19:00開演

会場:三鷹市芸術文化センター 風のホール (東京都三鷹市)

入場料:(全席指定)
一般 S席(2階席):10,000円、A席(1階席):6,000円
三鷹市民割引 S席(2階席):9,000円、A席(1階席):5,000円
学生 S席(2階席):2,000円、A席(1階席):1,000円
(4歳以上25歳未満の学生)

チケット購入方法:
シンフォニエッタ 静岡
ウェブ

チケットぴあ Pコード 224-283(2022年10月27日(木)23:59まで販売)

当日券は10月28日(金)18時より販売

出演:
指揮:中原朋哉
ヴィオラ:髙梨瑞紀

髙梨瑞紀 プロフィール
島根県出身。7歳よりイギリスでヴィオラを始める。東京藝術大学音楽学部付属音楽高等学校、同大学を経て、同大学大学院修士課程を修了。
第13回日本演奏家コンクールにて特別賞を受賞。2019年6月、島根県松江市のプラバホールにてリサイタルを開催。
2021年7月、東京文化会館小ホールにて文化庁/日本演奏連盟主催 新進演奏家育成プロジェクト・リサイタルシリーズ「髙梨瑞紀ヴィオラ・リサイタル」を開催。
これまでにヴィオラをヤン・フットラー、井川晶子、大野かおる、川崎和憲の各氏に師事。また室内楽を田崎瑞博、漆原朝子、澤和樹、市坪俊彦、山田百子、中木健二、東誠三の各氏に師事。
シンフォニエッタ 静岡 ヴィオラ奏者。

シンフォニエッタ 静岡
フルート だてかよこ 梶原一紘
オーボエ 池田肇 小山祐生 植田明美
クラリネット 郡尚恵 竹内未緒
バソン 小山清 渡邊愛梨
ホルン 月原義行 曽根敦子 菊池大輔 伊東輝道
トランペット 依田泰幸 飯塚結衣
トロンボーン 加藤直明 野村美樹 向江平八郎
ティンパニ・打楽器 梅津千恵子 伊藤諭
ヴァイオリン 嶋村由美子 杉山優子 進藤麻美 伊藤衣里
粳間良子 小佐井真希 高橋宗芳 新山開 矢野翔
ヴィオラ 小澤恵 春木英恵 塚本遼
チェロ 中西圭祐 薄井信介 青木祐介
コントラバス 古庄正典 上川めぐみ
ハープ 佐々木遥香
ステージマネージャー 九谷敏裕 萩庭光 十河朋美

プログラム:

マンデスによるギリシャ神話に基づく3幕の悲劇のための音楽

◆ダンディ:「メデア」より前奏曲とアウロラの勝利

◆ウォルトン:ヴィオラ協奏曲 (生誕120年)

2012年、86年の眠りから覚めた秘曲 10年ぶりの再演。この作品に出合えるのは世界中でもここだけ。
◆ラドミロー:交響曲 (1926年改訂版・東京初演)

なぜラドミローの作品が聴けるのは世界中でもシンフォニエッタ 静岡だけなのか?

芸術監督中原朋哉がフランス在住時にポール・ラドミロー協会の会長を務める作曲者の孫であるパオリグ・ラドミローさんと親交を持ち、「機会があれば演奏して欲しい」と、いくつもの作品の楽譜を手渡されました。その中にあった「交響曲」。世界中でこの楽譜を所有するのはラドミローのお孫さんと中原だけ。演奏用のパート譜は中原が作成したものしかありません。だから、世界中で聴くことができるのはここだけというわけです。

2012年に演奏した際は「日本初演」として告知していましたが、いくつかの疑問点を調査した結果、公演直前になって「楽章数を変更するほどの大幅な改訂による世界初演」であることをパオリグさんが発表。今回はそれ以来の演奏となります(詳しい経緯は当日配布するプログラム・ノートに記します)。

主催・お問い合わせ:
シンフォニエッタ 静岡
合同会社シンフォニエッタ
お問い合わせフォームはこちら

後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本  静岡県




協賛



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