【編集長が最近思うこと】コントロール出来ないことで悩まずに焦らず生きる






こんにちは!

Wind Band Press編集長の梅本です。

最近自分で何か記事を書くこともなかったので、ブログで書くことでもないしなあ、というような内容の最近気になることなんかを「編集長が最近思うこと」として、ちょこちょこと書いてみようと思います。

 


先の見えない長いトンネルの中をただ歩かされている、そんな感じのある昨今ですね。

特に音楽が出来ないとか、学生も社会人も、演奏愛好家にとってはメンタル的にとてもキツイ時期が続いているかと思います。

僕も2020年は事業全体的には売上が上がったのですが、セレクトショップのWBP Plus!なんかは苦戦してました。演奏会がないので単価の高い吹奏楽の楽譜が売れないんですよね。

それでもなんとか抗ってふんばってやっていたんですが、年末の仕事が終わったあたりで力尽きました。これ以上頑張れない。もうやめようかと思いました。

毎年その年の「やることリスト」を年始に作っています。これは努力目標ではなくて「やること」なので必ずやるんだ、と気合を入れて取り掛かるのですが、2020年のリストはコロナで完全に崩壊したので、今年(2021年)のリストの中に「焦らず生きる」という項目を追加しました。

これを実践し始めてから、業績は特に変わらずなのですが、気分的にとても身軽になったのでそのあたりのお話をしたいと思います。

世の中というのは自分中心に回っているわけではないので、「自分でコントロールできること」と「自分でコントロールできないこと」があります。

自分を中心に円を書いて、自分の一番近くにあるゾーンが「自分でコントロールできること=手の届く範囲」、その外側にあるゾーンが「自分でコントロールできないこと=手の届かない範囲」、さらに外側にあるゾーンが「自分が知らないこと=見ることすら出来ていない範囲」となります。

コントロールできないこと、例えば部活動が教育委員会から禁止されていて吹奏楽部の活動が出来ない。これは教育委員会に委ねられていることなのでコントロール出来ないことになります。

社会人吹奏楽団であれば公共施設が使えないから練習が出来ない。これも自治体の方針によるものなのでコントロール出来ません。

こういったことで悩んでも、悩んだからといって何かが変わるわけでもないし、変えられるわけではないです。手の届かない範囲の話。なのでまず自分の周りで起きていることについて「コントロールできるか、できないか」で分けて考えて、コントロールできないことでくよくよと悩まないようにしてみると、それだけで悩みがだいぶ減ります。

逆に、手が届く範囲、コントロールできることについては、いまできるベストを尽くす。別に今のようなコロナ禍的なときでなくても、いつでもそうです。

「手の届く範囲=コントロールできること」の中でベストを尽くすしかありません。そのためにはコントロールできないことで悩む時間をなくすことです。どこかで折り合いをつけないといけないということでもあります。

ただ、諦めてしまっては「ダメでした」で終わってしまうので、「手の届く範囲=コントロールできること」は全力でベストを尽くす。

吹奏楽でいえば、吹奏楽コンクールやアンサンブルコンテストが開催されるかどうかといったこともコントロール出来ない話です。そういった大会が開催されるとしてもそれまでに活動が思うように出来ない状況であれば出場も難しいかもしれません。

でもいつ活動ができるようになるか、コンクールが開催されるようになるかもわからないので、コントロールできる、自分が手に届く範囲で「いざ活動再開」となったときに役立つようなことを思いつく限りリスト化してみて、バンバン実行していくと良いのかもしれません。

それは個人練習なのかもしれないし、楽器を触らずに情報を仕入れたりすることなのかもしれません。活動ができないまま引退を迎えてしまう学生さんもいるかもしれませんが、そういう方は後輩に何を残すかを考えてみることなのかもしれませんし、卒業後に音楽を続ける方法について情報収集をすることなのかもしれません。人によって状況も様々なので、何がベストかはその人次第です。

ただ、打席には立ち続ける。これが何より大事なことだと思います。

打席に立ってバットを振らないとヒットは出ません。相手がどんな球を投げてくるかはコントロール出来ないことですが、その球に対してどうバットを振るかはコントロール出来ることです。

人生に三振はないので、何回でも振り続けることが出来ます。ヒットが出るまで振り続ければヒットが出ます。ヒットが出るまでに何度も空振りをするので心も参ってくるかもしれませんが、そこで「打席を離れない」ことが何より大事なことだと思います。休んでもいいけど打席を離れない。球が飛んできたら振る。フラフラで振っても偶然当たって偶然ヒットになることもあります。

打席に立ち続ける、というのは言い換えれば「覚悟を決める」ということかもしれません。

とはいえこの世情で毎日全力でバットを振っていたらすぐに力尽きてしまいます。

そこで「焦らず生きる」の出番です。

僕がWind Band Pressに続いて楽譜出版のGolden Hearts Publicationsという事業を始めたとき、最初の1-2年位、ほとんど楽譜が売れませんでした。今でもそんなに売れてないのですけど。

当時は本当に売上「0」が続く状態でした。出版事業とはいうものの海外の自費出版している作家さんの楽譜を日本で印刷・販売代行するのがメインでした。

毎月作家さんに販売レポートを送るのですが、「売上はありませんでした」と毎月報告しなければいけないのがもうしんどくてしんどくて。

売上はまだないけど、今どんなプロモーションをしている、とかサイトのアクセス状況がどうなっているか、とかそういうことも報告していたのですが、あるときベルギーの作曲家のバルト・ピクールから言われた言葉が「焦るな」ということでした。

「そんなに簡単に売れるとは思っていないから焦らずやれ」という話で。

それ以降、Golden Hearts Publicationsに関しては「焦らず」という姿勢でやっています。誰がいつどの楽譜をお買い求めになるかはコントロール不可なので、それについて悩むのもやめました。

不思議なもので、のんびりやりながら「コントロール出来ること」に集中してベストを尽くすようにしていたら、2020年はコロナ禍にも関わらずこれまでで一番Golden Hearts Publicationsの楽譜が売れた年になりました。

僕は焦らないように姿勢を変えましたが、打席を離れることはなく、バットはずっと振っていたわけです。

失敗や挫折というのがいつ訪れるか、というと、それは打席を離れたときです。「失敗で終わり」に自分でしてしまうわけですね。

状況によってはそういった判断が必要なときもあるので「逃げるな!」とか言う気はさらさらないのですが、失敗は成功までの道のりに過ぎないので、本当に何かを成し遂げたいのであれば打席を離れてはいけません。

「焦らず生きよう」「のんびり生きよう」と決めてから、打席に立ち続けることそのものが本当に楽になりました。なんといっても焦らずのんびりなので「今これをやらないと死ぬ」とかないんですよね。

「トムソーヤ」を書いたマーク・トゥウェインだったかの言葉で「あさって出来ることを明日やるな」という言葉があります。タイミングが大事だという話なのですが。無理して前倒しでやる必要はないのです。

コントロール可能な、手の届く範囲のことを、焦らずのんびりと「何がベストだろうか」と判断して実行していく感じです。

ただし時間には限りがあるので、判断→決断→実行までのサイクルをめちゃめちゃ速くしています。そして定時で上がって夜はのんびりゲームしてます。

例えばこの記事は昨日の夜、「焦らず生きるのめっちゃ楽だからこの話を書こうかな」と考えて、今朝珍しく早起きして時間がうまく作れたので、朝のうちに一気に書きました。判断→決断→実行のサイクルはとにかく速くです。それが焦らず生きるコツ。悩まない。

やることは決める。覚悟も決める。でも焦らない。

「自分がいまこれをやらなかったらあの人はどう思うかな」とか他人の感情が気になることもありますが、結局は他人の感情なので、コントロールは難しいです。

ただ「自分はいまこれをやるのがベストで、そうすればあの人は悪い感情は抱かないだろう」ということがあれば、ササッとやってしまうのが良いと思います。「自分が動く」ことはコントロール可能です。

悩んでいるときというのは、実は物事は何も前に進んでいません。

判断して決断して実行してはじめて物事が動き出します。

焦らずゆっくり、バットを構えてみてください。

 


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