アメリカのテューバ奏者/ユーフォニアム奏者ジョアンナ・ロス・ハーシー氏(Joanna Ross Hersey)とコンタクトが取れましたので、比較的最近の情報も含め、ざっと紹介してみます。
まずはバイオグラフィーから。
バーモント州出身のハーシー氏はアリゾナ州立大学でダニエル・ペラントーニ氏に師事し、ニューイングランド音楽院でチェスター・シュミッツ氏に師事し、テューバ演奏での音楽の修士号を取得しました。またHartt Schoolでテューバ演奏での博士号を取得しています。
19歳でアメリカ沿岸警備隊バンド(United States Coast Guard Band)の首席テューバ奏者に就任した後、全米各地でソリストや講師として演奏しました。
フリーランスの奏者としては、プラシド・ドミンゴ(Placido Domingo)、ロバータ・フラック(Roberta Flack)、マリリン・ホーン(Marilyn Horne)、アーロ・ガスリー(Arlo Guthrie)、マイケル・ボルトン(Michael Bolton)、リー・グリーンウッド(Lee Greenwood)、アルトゥーロ・サンドヴァル(Arturo Sandoval)、ジャック・ニコルソン(Jack Nicholson)といったアーティスト達と共演しています。
ハーシー氏は2003年の国際女性ブラス・カンファレンス(International Women’s Brass Conference:IWBC)で創設されたアテナ・ブラスバンド(Athena Brass Band)の創設メンバーの一人でもあり、2006年、2012年、2014年のIWBCで演奏しています。また、ケンタッキー州ダンヴィルのGreat American Brass Band Festivalで2回フィーチャーされています。
現在はカロライナ・フィルハーモニック(The Carolina Philharmonic)とカロライナ・インターナショナル・オーケストラ(Carolina International Orchestra)の首席テューバ奏者を務めています。
またAlchemy Tuba-Euphonium Quartetの一員として、北アメリカとヨーロッパで演奏し、CD「Village Dances」(2010)、「Prelude and Groove」(2012)を発表しています。
Alchemy Tuba-Euphonium Quartetは毎年2月にドイツに居住し、イェヴァー(Jever)で行われるHorn-Tuba Workshopでリサイタルやマスタークラスを行っています。
カルテットは最近、国際チューバ・ユーフォニアム・カンファレンス(International Tuba Euphonium Conference)の一環としてオーストリアのリンツでリサイタルを行い、ドナウ川のほとりにある屋外のフェスト・デア・ナチュール(Fest der Natur)でフィーチャーされました。
1976年にアメリカ初のプロのチューバ・ユーフォニアム・カルテットとして結成されたAlchemy Tuba-Euphonium Quartetは、2016年に40周年を迎え、カルテットは次のCDをリリースする予定です。
ハーシー氏はマイケル・パーカー(Michael Parker)と共に、エキサイトな新しいデュオ「ジャム(Jam – Joanna and Michael)」として、今夏にテューバ、ユーフォニアム、チンバッソをフィーチャーした最初のCDをリリースします。
ハーシー氏の最初のソロアルバム、「O quam mirabilis」(2010)は、ヒルデガルト・フォン・ビンゲン(Hildegard von Bingen)やリビー・ラーセン(Libby Larson)などの女性作曲家による音楽をフィーチャーしたCDで、amazon、iTunes、彼女のウェブサイトで購入可能です。
2枚目のソロアルバム「Zigzags」(2015)では、彼女自身の作品と、フェイ・エレン・シルバーマン(Faye Ellen Silverman)、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの作品を収録しています。
彼女の研究は、20世紀のアメリカ音楽における金管楽器の歴史と女性に焦点を当てており、国際チューバ・ユーフォニアム・ジャーナル(International Tuba Euphonium Journal)、国際女性ブラス・コンファレンス(IWBC)のニュースレター、ヒストリック・ブラス・ソサエティ・ジャーナル(Historic Brass Society Journal)、ノースカロライナ音楽教育者ジャーナル(North Carolina Music Educator’s Journal)、ヒストリカル・リサーチ・イン・ミュージック・エデュケーション・ジャーナル(Journal of Historical Research in Music Education)で発表されています。
彼女、国際女性ブラス・コンファレンス(IWBC)の会長、ノースカロライナ大学のテューバ/ユーフォニアムの准教授、イーストカロライナ大学のチューバ/ユーフォニアムの客員教授を務めるほか、ヤマハとパーカー・マウスピースのアーティストでもあります。
以上、バイオグラフィーでした。
最近では2016年にパーカー・マウスピースからハーシー・モデルが発売されました。
今後ですが数年間、日本に滞在する計画があるそうです。(まだ計画段階だと思いますが)
もし日本に来られたら皆さん是非クリニックを受けたり演奏会に行ったりしてみてくださいね。
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