演奏はさすがの一言！ニコラ・バルデイルー（クラリネット）「対話（ダイアローグ）」CDレビュー - 吹奏楽・管楽器・打楽器・クラシック音楽のWebメディア Wind Band Press

フランスのKLARTHEレーベルから発売されたクラリネット：ニコラ・バルデイルー（Nicolas Baldeyrou）のCD「対話（ダイアローグ）（Dialogues）」が届きましたので、簡単にレビューしてみようと思います。

KLARTHEから出ている他のCDもWBP Plus!の人気商品になっている、クラリネット奏者のニコラ・バルデイルーの新作（2020年）。

長年温めてきた企画のようで、ブーレーズの2作品をマントヴァーニとジャレルの無伴奏作品で挟む形で、アルバムの構成全体が対話（Dialogues）になっているのが面白いです。

ニコラさんはコロナ禍においてもたくさんの面白い動画（ニコラさんが何人も出てくる多重録音とか）をアップしていて楽しませてくれていたのですが、こういった割とガチッとしたのはアルバムでしっかりやる感じですね。

演奏はさすがの一言。柔らかく伸びやかで、激しく破裂するかと思ったら消え入るような繊細な蜘蛛の糸のような音を出す。この振り幅の広さがやはり持ち味でしょうか。無伴奏はもちろんですがブーレーズの「ドメーヌ」も独奏部分がかなり多いので、ほぼ無伴奏アルバムと思っていいでしょう。ですのでニコラさんのクラリネットの魅力がこれでもかと伝わってきます。

「ドメーヌ」はフランス放送フィルハーモニー管弦楽団（ラジオ・フランス）のメンバーが伴奏しています。オリジナルの形にこだわったとのことで、クラリネット・ソロと21の楽器で演奏されています。

クラリネット・ファンは迷わずGET！

レビュー：梅本周平（Wind Band Press）

商品詳細は以下の通り。

■原題：Dialogues

■演奏団体/演奏者：
クラリネット：ニコラ・バルデイルー（Nicolas Baldeyrou）
フランス放送フィルハーモニー管弦楽団（ラジオ・フランス）のメンバー 2-3

■レーベル：KLARTHE

■発売年：2020年

■収録曲：

1. バグ：ブルーノ・マントヴァーニ [5:57]
Bug : Bruno Mantovani

2-3. ドメーヌ：ピエール・ブーレーズ [33:53]
Domaines : Pierre Boulez

4. 二重の影の対話：ピエール・ブーレーズ [16:54]
Dialogue de l’ombre double : Pierre Boulez