「こういう音楽をする吹奏楽団の存在を知って頂きたい」 インタビュー: 指揮者・広島ウインドオーケストラ音楽監督 下野竜也さん

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今年の12月にシカゴで行われるミッドウエストクリニックに招待されることが決定したプロ吹奏楽団、広島ウインドオーケストラ。

2011年より同楽団の音楽監督を務める、日本が誇るマエストロ下野竜也氏に、広島ウインドオーケストラについて、またミッドウエストクリニックへの参加についてお話を伺いました。


―下野さんは2011年から広島ウインドオーケストラの音楽監督に就任されましたが、初めての出会いと、その当時の広島ウインドオーケストラの印象についてお伺いできますでしょうか。

お互い緊張していました。初めての出会いはどこでもそうですが。
自分が思い描いている吹奏楽の響きをどんどん実現して下さったと思います。運営組織としては未整理な部分もあったかと思いますが、音楽に真摯に向き合っていたのが、とても印象に残っています。

―下野さんが音楽監督に就任されて以降、特に急速に広島ウインドオーケストラの地力が伸びて行っているように思います。広島ウインドオーケストラと音楽を共に創り上げる際に、リハーサルなどで特にどのような点に重点を置かれているか、お伺いできますでしょうか。

オーケストラでも吹奏楽でも同じですが、和声がある音楽であれば、和声に基づく文章(フレーズ)を共有して、極限までお互いを聴きあって演奏する事を目指しています。私も含めてまだまだ途上ですが。

―CDをリリースして以降は破竹の勢いといった感があり、日本のプロの奏者であれば広島ウインドオーケストラの名前を知らない人はいないのではないか、と以前に統括プロデューサーの荻原さんもおっしゃられていました。そして3枚のCDをリリースした後に、満を持してシカゴのミッドウエストクリニックへの招待となったわけですが、CDを聴いたミッドウエストクリニック委員会の満場一致で招待が決まったと伺っています。どのような側面がミッドウエストクリニック委員会の方々の心に響いたと思われますでしょうか。

あくまでも、想像ですが、迫力とかではなく色々な表現部分(押して押しまくるだけではなく、引きの美学と言いましょうか)等を感じて頂いたのではないかと思います。

―広島ウインドオーケストラとしても初の海外公演となるわけですが、あらためてミッドウエストクリニックへの意気込み、そして広島ウインドオーケストラがミッドウエストクリニックに参加する意義、この二点についてお考えをお伺いできますでしょうか。

この様な機会を与えて下さった事に心から感謝しております。我々は日本を代表する様な団体ではありませんが、こういう音楽をする吹奏楽団の存在を知って頂きたいと思います。
また、それを言葉には現地ではしませんが、『HIROSHIMA』の団体がそこで演奏するということの意義は伝わると思います。そう信じています。

―あらためて、広島ウインドオーケストラの魅力、そして今後、下野さんと広島ウインドオーケストラが世界中の吹奏楽愛好家にどんな素晴らしい体験をさせていただけるか、お伺いできますでしょうか。

我々は、吹奏楽オリジナル作品を大切にしています。それらの作品の魅力をお届けする事が一番大切だと思っています。広島ウインドオーケストラを聴いて頂ければ、色々な作品に出会える。それが我々の理想であり、目標です。

―最後になりますが、日本全国の吹奏楽ファンにメッセージをお願いいたします。

広島ウインドオーケストラは、まだまだ研鑽を積まなければなりませんが、日本には多くのプロの吹奏楽団があります。自分で演奏する方が楽しいと思われていらっしゃる吹奏楽ファンも多いと思います。是非、聴いて下さい。色々な作品を。 是非、12分で完結するたった2曲のプログラムでない、長~~~~~いプログラムも聴いて下さい。


インタビュー・文:梅本周平(Wind Band Press)


まとめ:

いかがでしたでしょうか。

まだ広島ウインドオーケストラの演奏会に足を運んだこともない人も多いかもしれませんが、どんなことを追及している団体なのか、少し他とは違うな、という点が伝わりましたでしょうか?

広島ウインドオーケストラはミッドウエストクリニックに向けて、現在クラウドファンディングに挑戦中です。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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このインタビューを読んで広島ウインドオーケストラに興味を持たれた方、ぜひご応募ください。締め切りは2017/9/21(木)。

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「愛好家にしか通じない言葉ではなく、一般の方にも通じる言葉で」 インタビュー:広島ウインドオーケストラ統括プロデューサー 荻原忠浩さん


【下野竜也氏プロフィール】
1969年鹿児島生まれ。鹿児島大学教育学部音楽科を経て、桐朋学園大学音楽学部附属指揮教室で学ぶ。1996年にはイタリア・シエナのキジアーナ音楽院でオーケストラ指揮のディプロマを取得。1997年大阪フィル初代指揮研究員として、(故)朝比奈隆氏をはじめ数多くの巨匠の下で研鑽を積む。1999年文化庁派遣芸術家在外研修員に選ばれ、ウィーン国立演劇音楽大学に留学、2001年6月まで在籍。

2000年東京国際音楽コンクール<指揮>優勝と齋藤秀雄賞受賞、2001年ブザンソン国際指揮者コンクールの優勝で一躍脚光を浴びる。

国内の主要オーケストラに定期的に招かれる一方、ローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミー管、ミラノ・ヴェルディ響、ストラスブールフィル、ボルドー管、ロワール管、ウィーン室内管、カンヌPACA管、チェコフィルハーモニー管、シュツットガルト放送響、南西ドイツフィルコンスタンツ、シリコンバレー響をはじめとした国際舞台での活躍も目覚ましい。

2006年、読売日本交響楽団の初代正指揮者に迎えられ、2013年4月から17年3月まで同団の首席客演指揮者を務める。2011年、広島ウインドオーケストラ音楽監督に就任、14年4月から京都市交響楽団常任客演指揮者、17年4月からは同常任首席客演指揮者となる。2017年4月、広島交響楽団音楽総監督に就任した。

霧島国際音楽祭、サイトウ・キネン・フェスティバル松本をはじめ、数多くの音楽祭にも参加。近年はオペラの分野でも新国立劇場、日生劇場、二期会をはじめとした注目の公演で指揮を務めている。

これまでに出光音楽賞、渡邉曉雄音楽基金音楽賞、新日鉄音楽賞・フレッシュアーティスト賞、齋藤秀雄メモリアル基金賞、芸術選奨文部科学大臣賞、MBC賞、東燃ゼネラル音楽賞奨励賞、南日本文化賞特別賞などを受賞。鹿児島市ふるさと大使、おじゃんせ霧島大使。

2017年4月、京都市立芸術大学音楽学部指揮専攻教授に就任した。


【広島ウインドオーケストラ プロフィール】
1993年広島ウインドオーケストラは広島を中心に活躍するプロ演奏家により吹奏楽の素晴らしさ、そして音楽を通じ平和への願いを発信するため結成された。同年10月第1回定期演奏会を開催。このコンサート以降、年2回の定期演奏会を開催する他、学校公演、慰問コンサートといった地域に根差す活動だけでなく、県内外からの依頼コンサート等現在までその活動範囲を広げている。
1999年第11回定期演奏会が世界音楽祭“オーガスト・イン・ヒロシマ”の一環公演となる。2003年吹奏楽名曲集「バンド・クラシックス・ライブラリー」(ブレーンミュージック)の第1弾CD「春の猟犬」が発売、このシリーズは2009年までに全12弾が製作され、現在も販売中のロングセラーとなる。結成10周年記念第20回定期演奏会ではユニセフ難民救済チャリティー募金事業を行う。2011年 下野竜也が音楽監督に就任。“邦人作品”・“芸術性を追求した吹奏楽”を核とした意欲的なプログラミングが始まる。下野&HWO初となるCD「兼田敏ウインドオーケストラのための交響曲」はレコード芸術誌の特選盤として話題を集め、音楽の友社第49回「レコード・アカデミー賞 特別部門 吹奏楽」を受賞。日本管打・吹奏楽会第23回アカデミー賞(演奏部門)、第35回広島文化賞、2014年度広島市民賞を受賞。しなやかで美しいサウンドと意欲的なプログラムが各方面から注目を集め、吹奏楽の新たな可能性を感じさせるプロフェッショナル吹奏楽団として、さらなる躍進を続けている。




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