「このスタンスは絶対にブレないようにしていきたい」 インタビュー:ムジカ・エテルナ合同会社 代表 豊永和也さん

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2016年11月に設立された新しい楽譜出版社「ムジカ・エテルナ合同会社」(本社:岐阜県大垣市)。前身ともいえる2015年12月設立の「ディスクリエイト株式会社」が全ての事業を「ムジカ・エテルナ合同会社」に移行しました。

また、作曲家の浦木裕太氏と専属契約を締結したこともWind Band Pressで記事にしたので、覚えておられる方も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな「ムジカ・エテルナ合同会社」代表の豊永和也氏にメールインタビューをさせていただきました。


―今回はムジカ・エテルナについて色々とお話をお伺いできればと思います。

まずはムジカ・エテルナ合同会社設立のきっかけからお伺いできますでしょうか。

元々は、音楽大学に進んで音楽を生業としていきたいと思っておりました。ただ、親の猛反対と自分には演奏技術がないことに気づき諦めました(笑)。

現在は大学で経営学を学んでおり、自分自身の経験を活かせる吹奏楽に関わる事業をやってみたかったという気持ちから事業を始めるに至りました。

―サイト上の会社概要を見ますと企業理念として「吹奏楽に新しい風を。そして大きなイノベーションを。ムジカ・エテルナは、現状に満足することなく、常に“新しく面白い”を創造し続けます。」とありますが、具体的にどのような取り組みをされていくのでしょうか?

企業活動を円滑に進めていくために、理念→戦略→戦術→実行というスキームを守らなければいけないと常々考えています。

その中で、最も大事な理念を具現化するために「新しく面白い」とは何かを毎日自問自答しています(笑)。

具体的には、弊社では日本の出版社ではあまり取り入れられていない楽譜のスコア単品販売を行っています。

これは、出版社が乱立している吹奏楽業界では非常に興味深く思っていただけるのではないかと思っております。

今後もパート譜のみの販売を検討しているなど、お客様に求められているものを明確に把握しなければいけません。

また、弊社の楽譜を使用した講習会なども東海地区で行いたいと考えていて、中学・高校の吹奏楽部の技術向上のために弊社も関わっていきたいと考えています。

これらを実現することによって、結果的に「新しく面白い」ことを創造出来るのではないかと考えております。

また、企業理念とは別に、弊社では「世界最高の感動と喜びを。」を信条としています。

どんなことでも世界最高とは、なかなか成し遂げられるものではありません。

このようなハードルの高い信条を持つことで、企業としてのブランド力を上げていきたいと思っております。

―マーチを中心とした品ぞろえが特徴的に見えますが、御社の出版楽譜の特徴やこだわりなどはどのようなところでしょうか?

基本的なスタンスとしては、売れる売れないよりも先に、私が、この作品は面白い!演奏してもらいたい!と直感で思った楽譜を販売しています。

このスタンスは企業としてはいかがなものかと疑問を抱かれるかもしれません。

実際、「売れる」と「面白い」というのは相反しているのだと実感するときもあります。ただ、どんな理由があってもこのスタンスは絶対にブレないようにしていきたいです。

あと、マーチ作品が弊社の作品で多いのは自分自身、マーチが好きということもあるかもしれません(笑)。

この場を借りて申し上げさせていただきますが、吹奏楽に携わる人はもっとマーチを演奏するべきです!好き嫌いはあると思います。ただ、マーチを演奏して学ぶことは非常に多いと思います。

話は逸れましたが、弊社の楽譜は全て販売譜です。

これもこだわりの一つで、楽譜が手元に残るか残らないかで再演の確率は大きく変わってくると思います。

購入いただいた団体が末長く演奏していただきたいという思いを込めて販売譜で展開させていただいております。

―5月の(ディスクリエイトの)サイトオープンの後、夏ごろからはしばらく目立った動きが見られませんでしたが、何か準備されていたことなどがあったのでしょうか?

正直に申し上げますと、起業からサイトオープンまでのスケジュールは明確に計画をしていましたが、その後の予定はオープン後の動きを見ながら考えるようにしていました。

結果として、サイトオープンから10月頃までの期間は、コンスタントに新しい楽譜が販売できるよう準備に勤しみました。

現在は、月に一回は新作の発売ができるようにスケジュールを決めています。

―まだサイトオープンから8ヶ月ほどですが、お客様の反応はいかがでしょうか?

他社にはないラインアップですので、皆様から非常に面白がっていただいています(笑)。

ただ、先述の通り「売れる」と「面白い」は違うということも実感していますのでその辺りをどう企業の収益に結びつけられるかは自分の手腕にかかっていると自覚しています。

―経営にあたり特に大切にされていることは何でしょうか。

企業として生き残るためのキーワードとして「マーケティング」が挙げられると考えております。あのUSJもマーケティング戦略で見事V字回復を成し遂げました。

今の時代はどれだけ良いものを作っても、マーケティングが上手くなければ売れません。

私たち吹奏楽業界も、良いものをどのように売るかをもっと真剣に考えなければいけないと感じています。

良い素材を作曲家の方から提供していただいている出版社として、今後も生き残っていくために自分自身ももっともっと「売り方」を勉強し実行していきます。

―今後はどのような展開を予定されていますか?

現在、日本でさかんにマーチング活動が行われていますが日本の出版社でマーチングの譜面を積極的に取り扱っている出版社はなかなかありません。あっても輸入がほとんどです。今後は、マーチングの譜面を、積極的に出版できたらと考えております。

また、弊社の大きな成長戦略として「海外展開」を意識して準備を進めています。日本での演奏機会を増やすことはもちろんですが、海外は日本とは比べ物にならないほどマーケットが大きいです。

海外を相手に展開していくことは難しいことは承知しておりますが、日本の吹奏楽業界に関しては、少子化の背景もあり縮小していくことは間違いないでしょう。

その中で、弊社が生き残るカギとなるのが海外展開だと考えております。

―最後になりますが、将来の展望などお聞かせ願えますでしょうか。

まだまだ出来立てホヤホヤで非常に未熟ではありますが、今後は「吹奏楽業界の発展にムジカ・エテルナあり」と言っていただけるような企業を目指していけたらと思います。

吹奏楽は素晴らしいです。吹奏楽が大好きです。私自身も中学・高校と吹奏楽とマーチングに命を賭けました。

そんな経験を生かして、吹奏楽が大好きな皆様と一緒に切磋琢磨していきたいです。

そのために、何に対しても食わず嫌いをせずにチャレンジします。


インタビュー・文:梅本周平(Wind Band Press)


まとめ:
まだまだ新しい会社ですが、目指すところはしっかりと見据えておられる点や、吹奏楽、マーチングへの熱い思いが印象的なインタビューでした。

若き経営者が今後、吹奏楽界にどのような新風を起こすのか、非常に楽しみですね。

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